ホワイトニングの注意点


前回「ホワイトニングについて」お話しました。

今回は「ホワイトニングの注意点」についてお話したいと思います。

 

目次

  1. ホワイトニングが出来ない方
  2. ホワイトニング前の注意点
  3. ホワイトニング後の注意点
  4. ホームホワイトニングの注意点
  5. まとめ

 


1.ホワイトニングが出来ない方


①無カタラーゼ症

「過酸化水素」を分解するための「カタラーゼ」と呼ばれる酵素がない方はホワイトニングを行えません。

 

②妊娠中・授乳中

安全が確認された薬剤を使用していますが、妊娠中・授乳中は繊細な時期になります。

赤ちゃんへの影響が全くないと言い切ることは難しいです。

また、お母様の体も通常とは異なります。

今まで問題なかったことも妊娠中はいつもとは違う反応が出る可能性もあります。

安全の為に産後・卒乳後に行うことをお勧めします。

 


2.ホワイトニング前の注意点


①気になる色がホワイトニングで改善するか

ホワイトニングは万能ではありません。

加齢による変色や幼少期の抗生剤(テトラサイクリン)による軽度の変色を改善することができます。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

②虫歯、歯周病の治療が必要な所はないか

ホワイトニングは特にオフィスホワイトニングは強い薬剤を使用しています。

この薬剤が虫歯の部分を通して象牙質に到達すると神経に刺激を伝えることになります。

強い痛みが出る場合ホワイトニングを継続することが困難になることもあります。

また、ホワイトニングを行っている期間に虫歯が進行してしまいます。

神経のお部屋に近づいているような大きい虫歯の場合、虫歯が広がると痛みが出てきます。

その場合は神経をとる処置を行う必要があります。(神経をとる処置についてはこちらをご覧ください。)

神経をとる処置は何度か回数がかかる治療になります。

その間仮の蓋で神経のお部屋を閉じるのですが、この蓋がホワイトニング中に外れてしまう恐れがあります。

神経をとる処置を行っている歯の蓋が外れてしまうと、神経のお部屋、根の先に細菌が侵入してしまい、根の先の感染の原因になることがあります。

そのため、ホワイトニングを行う前に歯科治療を終了させておくことをお勧めします。

 

③詰め物・被せ物はホワイトニングで白くできない

ホワイトニング前に虫歯の治療を行う場合は、あらかじめ明るい色の詰め物を行ったり、以前治療した部位はホワイトニング終了後に白くなった歯に合わせて詰め物や被せ物をやり直すことも可能です。

ホワイトニングを考えている場合は事前にご相談していただくと、治療もスムーズに行えることがあります。

 


3.ホワイトニング後の注意点


ホワイトニング直後は歯の表面を守っているペリクルがない状態です。

そのため、歯が溶けやすく、また着色しやすい状態になります。

ご飲食で気を付けていただく必要があります。

タバコも同様着色の原因になります。

お控えいただくと白さの長持ちにつながります。

 

①ホワイトニング直後の酸性の強い飲み物・食べ物

  • ・オレンジやグレープフルーツ等柑橘系の飲み物食べ物
  • ・炭酸飲料
  • ・酢
  • ・スポーツドリンク
  • ・アルコール類

酸性が強い、ということは「歯を溶かす作用が強い」ということです。

これらは2~3時間(ペリクルが再度作られるまで)避けましょう。

 

②オフィスホワイトニング後のご飲食

直後の色が濃いものや着色しやすいお食事は避けてください。

ホワイトニング後24時間避けていただけると白さが長持ちしやすくなります。

避けた方がよいもの

  • ・コーヒー、紅茶、日本茶
  • ・赤ワイン、ぶどう、イチゴなど色の濃い果物
  • ・醤油、醤油系のお食事(ラーメンや焼き肉、焼き鳥など)
  • ・からし、わさび
  • ・チョコレート、あんこ
  • ・豆腐、豆乳、お味噌

等、基本的に色の濃い見た目をしている食品は避けていただけるとよいと思います。

しかし例外として、お豆腐、豆乳はお気を付けください。

ポリフェノールの一種イソフラボンが入っているため、着色しやすくなります。

2~3時間避けていただければ問題ありません。

同様の理由からお味噌などもお控えいただけるとよいかと思います。

お食事後はなるべくすぐに歯磨きを行うよう心がけてください。

 

③ホームホワイトニング後のご飲食

ホームホワイトニング直後もオフィスホワイトニング同様、着色しやすい状態です。

ホワイトニング後1時間ほどは飲食を控える事をお勧めします。

また、ホワイトニング期間中、着色しやすいお食事(上記のお食事)もなるべく少なくすると、ホワイトニング効果が表れやすくなります。

お食事後の歯磨きはオフィスホワイトニング同様行うよう心がけてください。

 


4.ホームホワイトニングの注意点


①正しい薬剤量を使用する。

多量のジェルを使用しても、効果はかわりません。

おおすぎるジェルはマウスピースからはみ出してしまいます。

マウスピースから漏れたジェルが歯肉に付着すると歯肉が白くなったり炎症の原因となります。

万が一漏れた場合は漏れた部分をしっかりふき取るようにしてください。

 

②強く嚙みこまない。

マウスピースを強く噛みこむと破損の原因となることがあります。

また、適切な量のジェルも、噛みこむとマウスピースからはみ出てしまうことがあります。

お気を付けください。

 

③着用時間を守る

毎日行ってください。

毎日行っていただくことでしっかりとした効果が得られます。

マウスピースは2時間で外してください。

長時間使用すると知覚過敏症状が強く出ることがあります。

マウスピースを付けたまま寝てしまわないようお気を付けください。

 

④マウスピースを外した後は歯磨きすすぎをしっかり行いジェルの残留を防ぐ。

部分的にでもジェルが歯に付着しているとその部位は長時間ホワイトニングを行っていることとなります。

強い知覚過敏症状がでる可能性が高くなるため、しっかり歯磨きすすぎを行うようにしてください。

 

⑤マウスピースのお手入れ・保管

使用したマウスピースは歯磨き粉などは使用せず傷つけないように歯ブラシで優しく磨いてください。

また流すときはお水を使用してください。

お湯を使用するとマウスピースが変形する恐れがあります。

しっかり乾燥させた後は、ホコリなどが付着すると不衛生になるため、きちんとケースに保管しましょう。

 


5.まとめ


ホームホワイトニングは薬剤を使用しご自身で行っていただくホワイトニングです。

用法、用量をまもり、正しい使用方法で安全に行いましょう。

白くなった歯の後戻りは必ず起こってしまいます。

毎日のお食事を気を付ける事はなかなか大変な事だと思います。

施術後も食後の歯磨きや、歯磨きが難しい時はお口をゆすぐだけでも着色を抑える効果があります。

ちょっとした心がけで白い歯が少しでも長続きしたら嬉しいですね。