こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。
インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込む治療法です。自分の歯のように使用できることが大きな特徴でしょう。
しかし、メンテナンスを行わずに長く使い続けることはできません。人工歯根でも、ケアが必要なのです。
今回は、インプラントのメンテナンスや、ケア方法について詳しく解説します。
目次
インプラントのメンテナンスの重要性
インプラントを埋入したあとは、定期的なメンテナンスが必要になります。インプラントのトラブルで特に多いのは、インプラント周囲炎です。インプラントの周囲に炎症が起き、天然歯における歯周病のような状態になります。
インプラントを長く使い続けるためには、インプラント周囲炎の予防を中心としたメンテナンスが必要不可欠です。定期的にメンテナンスを受けることで、インプラント周囲炎以外にも、ほかの歯の虫歯や歯周病、歯茎の腫れなど、トラブルを早期に発見できます。悪化する前に治療を始められるので、口内の健康を保てるでしょう。
また、インプラント治療のメーカー保証を受けるには、定期的なメンテナンスを受けていることが条件の場合が多いです。
口内の健康を保ってインプラントを長く使い続け、トラブルがあった際に保証を受けるために、メンテナンスを受ける必要があります。
インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯茎や歯槽骨などが歯周病菌に感染した状態です。
インプラント周囲の歯茎が腫れる・出血するなどの症状があらわれ、進行すると周囲の歯槽骨が破壊されます。進行すると、インプラントを摘出しなくてはならない場合や、自然と抜け落ちる場合があります。
インプラントは天然歯と比較して、細菌に対する抵抗力が弱いです。そのため、インプラント周囲炎になると急速に進行します。
自覚症状があまりないので、気づいたときには進行していることも多いです。定期的にメンテナンスを受け、インプラント周囲炎を予防することが大切なのです。
インプラントのメーカー保証とは
一般的に、インプラントにはメーカー保証がついています。万が一埋め込んだインプラントに不具合が発生した場合に、代替え品と交換するための制度です。
インプラントのメーカーによって保証期間は異なりますが、5〜10年の保証がついているのが一般的です。保証期間内であれば、患者さまの故意による破損などではない、インプラント自体の不具合であれば無償で交換できます。
定期的にメンテナンスを受けていることが、保証の条件になっている場合が多いです。
インプラントのメンテナンスでは何をする?
インプラントのメンテナンスでは、口内の状態確認や、クリーニング、歯磨き指導などを行います。
口内の状態確認
主に確認する内容は、以下のとおりです。
・インプラントの動揺度(グラつき)
・歯周ポケットの深さ
・歯茎の炎症の有無
・歯ぎしりや食いしばりの有無
・噛み合わせ
・天然歯の虫歯や歯周病の有無
必要に応じて、レントゲン写真を撮影して顎の骨の状態を確認することもあります。
クリーニング
口内やインプラント周囲に付着した歯石を除去し、自宅では落とせない汚れをクリーニングします。
歯石は、歯周病菌が増殖しやすい場所です。歯垢(プラーク)が付着した状態を放置すると、石灰化して歯石になります。歯石は歯磨きでは除去できないので、定期的に歯科医院で除去してもらう必要があるでしょう。
歯磨き指導
インプラントやほかの歯の寿命を延ばすには、歯科医院でのケアだけでなく、毎日の自宅でのケアが重要です。自宅で行うセルフケアで効率的に汚れが落とせるように、歯科衛生士が歯磨き指導を行います。
インプラントのメンテナンスはどれくらいの頻度で受けるべき?
患者さまの状態によって適切な頻度は異なりますが、年2〜4回程度が一般的です。メンテナンスの内容も、歯科医院や患者さまによって異なります。
メンテナンスの間隔は歯科医師から指示されるので、忘れずに受診しましょう。
インプラントのメンテナンス費用
インプラントのメンテナンス費用は、1回あたり3,000〜10,000円程度です。インプラントは自費治療なので、歯科医院ごとに異なります。
レントゲン撮影の有無や、クリーニングの内容などによっても、メンテナンスの費用は変動するでしょう。
メンテナンスの頻度を考慮すると、1年間で10,000〜30,000円程度のメンテナンス費用が必要になります。インプラントの治療費に加えて、必要な費用と考えましょう。
高額に感じるかもしれませんが、天然歯でも定期検診や定期的なクリーニングは必要です。インプラント治療を行ったから特別に必要になるわけではありません。口内の健康を保つために、定期的にメンテナンスを受けてください。
自宅でできるインプラントのセルフケア方法
インプラントを長持ちさせるには、自宅で行うセルフケアも非常に大切です。セルフケアを効果的に行うポイントをご紹介します。
歯磨きを丁寧に行う
やわらかめの歯ブラシで、インプラントと歯茎の境目をしっかり磨きましょう。上部構造(被せ物)も磨いて清潔に保ちます。かための歯ブラシを使用すると、インプラントを傷つける可能性があります。「やわらかめ」か「ふつう」の硬さの歯ブラシを使用してください。
磨く順番を決めるなど、磨き残しがないように磨きます。インプラントは根本がくびれているので、毛束が1本のワンタフトブラシで重点的に磨くのも効果的です。
研磨剤が含まれていない歯磨き粉を使用する
研磨剤が含まれている歯磨き粉や、顆粒が入った歯磨き粉は避けましょう。研磨剤は、インプラントを傷つける可能性があります。低研磨性の歯磨き粉や、研磨剤無配合の歯磨き粉を選んでください。歯科医院で販売されている歯磨き粉や、炭酸カルシウムやケイ素を含まない歯磨き粉を購入するとよいでしょう。
顆粒入りの歯磨き粉を使用すると、顆粒がインプラントと歯茎のすき間に入り込んで炎症を引き起こす可能性があります。
フッ素入りの歯磨き粉は、インプラントにも使用可能です。フッ素は虫歯予防に効果的なので、積極的に使用しましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは除去できません。歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、汚れを落としましょう。
歯ブラシだけでは、60%程度の汚れしか除去できないといわれています。歯間ブラシやデンタルフロスを効果的に使用することで、80%程度まで除去率が上がります。
歯科医院のブラッシング指導を受けて、使用方法を学びましょう。歯間ブラシやデンタルフロスを使用しても落とせない汚れは、歯科医院のクリーニングで除去します。
まとめ
インプラントを長く使い続けるには、定期的なメンテナンスを受けることが非常に重要です。インプラントは人工物なので、虫歯になる心配はありません。
しかし、インプラント周囲炎になる可能性があります。インプラント周囲炎になると、インプラントが不安定になり、進行すると抜け落ちることもあるでしょう。
インプラント周囲炎や、ほかの歯の虫歯・歯周病を予防するために、メンテナンスは効果的です。メンテナンスでは、インプラントの状態や噛み合わせの確認を行います。天然歯の状態も確認し、必要に応じて治療を行うでしょう。
インプラントと歯の健康を守るために、インプラント治療後は必ずメンテナンスを受けてください。
インプラントを検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。