イヤイヤ期までの仕上げ磨きのコツ


魔のイヤイヤ期と呼ばれる2歳~3歳。

前回はイヤイヤ期までの仕上げ磨きの目的についてお話ししました。

今回はイヤイヤ期までの仕上げ磨きのコツをお話したいと思います。

 


わずかに前歯が生えている時


前歯が1~2mmほど生えている場合は、ブラシ部分が細くなったタフトブラシを使用し優しく磨いてあげてください。

この時、タフトブラシは毛が軟らかく毛先が山型の物を選びましょう。

歯ブラシを口の外に出してしまったり噛んでしまいうまく歯磨けないときもあると思います。

毛のように小さな突起のついた指サックや、ガーゼを指に巻いて指で磨くようにするのも一つです。

 


前歯がだいぶ生えてきたら


上唇をめくると唇から歯茎に変えてのスジ(上唇小帯)があります。

この上唇小帯はお子さんによって大きさが異なります。

大きい時は歯と歯の間をすり抜けて、「上顎」にまで到達することもあります。

上唇小帯がほぼない場合も、もちろんあります。

歯ブラシが上唇小帯にぶつかると痛みがでます。

「歯ブラシ=痛いことだから歯ブラシはやりたくない」となってしまうと大変です。

上唇小帯がほぼないお子様は歯ブラシを横にして磨いても痛みが出る可能性は低いです。

上唇小帯が大きい場合は歯ブラシを縦にして歯を磨くと、上唇小帯にぶつかるリスクを下げられるかと思います。

前歯を磨くときは、唇を軽くめくったまま力を入れずに細かく動かして1本ずつ磨いてあげましょう。

このとき、歯ブラシは毛が軟らかく、ヘッドの小さい物を使用すると良いかと思います。

 


奥歯まで生えてきたら


奥歯まで生えてくると、様々な物を食べられるようになっています。

歯と歯の間に隙間がないと、その食べた物が挟まってしまうこともあります。

歯ブラシだけでなく歯の間に隙間がお子さんはフロスをとりいれましょう。

奥歯が生えかけているとき、タフトブラシを使用し、細かく動かしてみましょう。

前歯は、唇側と(上顎側)だけですが、奥歯は外側と内側の他に噛む面もあります。

溝までしっかり磨いてください。

2歳ぐらいになったらお子さん本人にも歯磨きを行ってもらいましょう。

その際鏡を見ながらだと興味がわきやすくなります。

お子さん自身で磨くときは絶対に目を離さないでください。

転倒などで、思わぬケガにつながることもあります。

ヘッドが小さく毛にコシのある歯ブラシ、タフトブラシ(毛先が山形の物)、フロスを使用するようにしてください。

また、一人磨きの際は歯ブラシのネック素材が軟らかい素材の物があります。

柔らかい歯ブラシとはいえ、磨いている時は目を離したり歩きながらの使用は避けなくてはいけません。

 


イヤイヤ期への対処法


  • 仕上げ磨きの時に歯ブラシを噛んでくる

歯磨きをしたくなくて歯ブラシを噛んでくることはもちろんあります。

しかし、実はそれだけではなく、「口を開け続けることに疲れたから」という場合もあります。

大人もずっと口を開けていると疲れてしまいますよね。

割りばしや使わなくなった歯磨きの柄にテープを巻き、その上にガーゼを巻き付けたものを前歯で噛ませてみてください。何かを

噛むと開けることが少し楽になります。

舌で歯ブラシを押し返そうとするときもガーゼを巻いた物で舌を軽く押さえ、その間に歯磨きをすると磨きやすくなります。

 

  • ・歯磨きを時間をかけてやらせてくれない

本来は寝る前にしっかり全体を磨きたいところですが、イヤイヤ期に限らずお子さんの歯磨きを長時間やることは難しい場合もあります。

そのようなときは、上の歯は夜、舌の歯は朝、というように歯磨きするタイミングを2回に分け、トータルで1日1回全体のケアが行き届くようにします。

半分にすることで一回に磨く時間を短くし、負担を減らしてみてください。

 

  • ・動きが激しく、磨き忘れがないか心配

磨く順番を決めてみてください。

これは大人が自分の歯を磨くときも同じです。

毎回同じ歯から始め、全ての歯を網羅するように順番を決めてください。

また、その際は奥歯の上下の噛み合う面も忘れないよう気を付けてください。

順番を決めておくことはお子さんが自分で歯磨きをする時にも役に立ちます。

順番を記入した紙を作っておくと歯磨きの時に確認しながら行えるのでお勧めです。

 


歯磨き中の注意点


歯磨きをするときは必ず膝の上にお子さんの頭を乗せてください。

動きが大きい時、頭を動かしてしまう場合には、股の間に挟み込むとぶれずに磨きやすくなります。

これは、お口の中が良く見えるだけでなく、赤ちゃんの頭を固定することで安全に歯磨きを行えるようにするためです。

お子さんが急に頭を動かしてしまうと、歯ブラシでお口の中を傷つけてしまう可能性があります。

歯ブラシ事故を防ぐためにも、頭の固定を行うよう気を付けてください。

 


まとめ


歯が生えてからイヤイヤ期までの仕上げ磨きのポイントを紹介してきました。

しかし、これは一般的な事です。

歯の生え方や歯磨き中の舌の動き方などは、お子様により様々です。

歯医者では、お子さん一人一人に合った歯磨きの仕方をお伝えします。

歯磨き中の悩みや、お口の成長についての悩みなど、些細な事でも構いません、お気軽にご相談ください。

決して、悩みを一人で抱え込まないでくださいね。