歯の根っこ・神経を治療する根管治療とは?治療法や費用などを解説


こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

歯の神経を治療する根管治療のイメージ

虫歯が歯の神経まで到達して痛みが発生した場合に行われるのが、根管治療です。歯の神経を抜く治療という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。具体的にどのようなことを行うのか、疑問に思っている方もいるでしょう。

本記事では、歯の根っこ・神経を治療する根管治療とは一体どのような治療なのかについて解説していきます。

歯の神経の治療(根管治療)とは

歯の神経の治療(根管治療)の説明をする歯科医師

根管治療は、歯の神経まで虫歯菌が到達した場合に行われます。歯の神経の炎症や感染が治まらない場合、歯髄と呼ばれる歯の中心に位置する神経を除去するのです。

神経を除去した後は根管の中の清掃を行います。根管内に細菌が入らないように特殊な薬をつめて密閉し、再感染を防ぎます。

歯の神経の治療を行うケース

歯の神経の治療を行うケースとして歯髄炎のイメージ

歯の神経の治療は、どのような時に行われるのでしょうか。ここでは、3つのケースをご紹介します。

歯髄炎を発症した場合

歯髄炎は、虫歯や歯周病が原因で発生した細菌が歯髄まで到達して、炎症が起こることをいいます。温かいものや冷たいものを食べるなど、歯が刺激された場合に痛みを感じるようになります。ズキズキと痛みが続く場合もあるでしょう。

症状が軽度の場合には様子を見ることもありますが、炎症が治まらなかった場合には根管治療が必要です。

歯髄が壊死した場合

虫歯や歯周病の治療をせずに歯髄炎が進行すると、歯髄が腐敗して壊死した状態になります。神経が死んでいるので温熱刺激や痛みは感じなくなりますが、歯の状態が改善されたわけではありません。

また、放置すると歯の根の先に膿が溜まり、激しい痛みが発生する可能性があります。

歯髄が壊死した場合には、根管内全体が細菌で汚染されているため根管治療を行います。

根尖性歯周炎

虫歯や歯周病を放置して歯髄が壊死した結果、歯根の先に膿がたまって炎症が起こることを根尖性歯周炎と言います。歯根にたまった膿や細菌が周囲の骨や組織まで影響し、歯肉や歯茎が腫れる症状が出ることがあります。

歯髄壊死と同様に、神経が死んでいる場合は痛みを感じないケースもあります。出血や腫れなどの症状で受診し、レントゲンで初めて気づく方も少なくありません。

歯を構成する他の組織の影響を防ぐためにも、根管治療を行います。

歯の神経の治療の種類

歯の神経の治療イメージ

歯の神経の治療方法は、抜髄と感染根管治療の2種類に分かれます。

抜髄

虫歯や歯周病の細菌が歯髄まで到達して歯髄炎を引き起こし、治療しても炎症が治まらない場合があります。その際、歯髄を除去する抜髄という処置を行います。

抜髄により炎症の進行を防ぎ、歯や周囲の組織への悪影響を抑えることができます。

感染根管治療

歯の根の部分に膿がたまり細菌感染した場合には、その膿や細菌を除去する感染根管治療を行う必要があります。この場合は歯髄も死んで腐っていることが多いので、膿や細菌をきれいに取り除くと同時に歯根の清掃も行います。

この治療を行えば、歯を構成する歯根の周りの骨が溶かされることや、歯茎や周りの組織への細菌の侵入を防ぐことができます。

歯の神経を治療する流れ

歯の神経を治療する流れを説明する歯科医師

歯の神経の除去はどのように行われるのか、ここでは治療の流れについて解説します。

  1. 麻酔をかける
  2. 歯髄(歯の神経)の除去
  3. 根管内の清掃
  4. 根管充填
  5. 土台を立てる
  6. 被せ物の装着

治療の際に痛みを感じることがあるので、基本的に局所麻酔を行います。その後、虫歯になっている歯質を削り、歯に穴をあけて根管を露出させます。専用の機器を使用して、細菌に汚染された歯髄をきれいに取り除き、根管内の細菌を減らします。

根管の清掃ができたら、消毒薬を入れて仮のふたをします。消毒・清掃は何度か繰り返す必要があるので、1週間に1回のペースで受診します。最低でも2~3回、多い場合は5回ほどの通院が必要になるでしょう。

消毒が完了したら、歯科専用の充填剤を入れて根管を密封します。細菌が入らないように、細心の注意を払って密閉し、細菌の侵入を防ぎます。歯の神経の治療自体は、ここで終了です。

しかし、このままでは歯冠部分が失われていて、歯の機能を果たせません。そのため、歯を補う治療に進みます。

歯の強度を保つため、根管への細菌の侵入を防ぐために、金属やプラスチックを使用して歯の中心部に土台をたてます。土台を立てた後に、被せ物を装着して歯を補います。

保険診療では金属やプラスチックで被せ物を作成しますが、耐久性や機能性、審美性を重視したい場合は、セラミック素材も選択できるでしょう。

歯の神経の治療で生じる痛みと対処法

歯の神経の治療で生じる痛みの対処法に麻酔があることを知り安心する患者

ここでは、歯の神経の治療で生じる痛みとその対処法について解説します。

 歯の治療で生じる痛み

歯の神経の治療と聞くと、強い痛みが生じるのではないかというイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。治療中は麻酔を使用しますので、痛みを感じることはありません。

ただし、麻酔が切れた後は、痛みを感じる可能性があります。通常1週間以内に落ち着くので、過度な心配は不要です。

また、歯髄を除去すると、歯髄内にある神経や血管がなくなるので歯に栄養が届かなくなります。歯の強度が下がるので、負荷がかかると痛みが出るかもしれません。

特に、治療後数日間は、噛むときに痛い、何もしなくてもズキズキする、歯の周りに違和感がある等の症状が出る場合があります。

 歯の痛みの対処法

上述した通り、根管治療後も痛みが続くことがあります。1週間程度で落ち着くことが多いですが、できる限り痛みを避けたいと考える方もいるでしょう。

ここでは、痛みへの対処法をご紹介します。

 歯にかかる負担を少なくする

根管治療の際は歯の構造の深くまでアプローチするため、周囲の組織が過敏になることがあります。わずかな刺激でも、治療直後の歯は痛みを感じるかもしれません。

治療した歯を避けて噛む、硬い食べ物を控えるなど、歯にかかる負担をできるだけ抑えて過ごしましょう。

 運動・長風呂・サウナ・飲酒を避ける

治療後は、過剰な運動や長風呂、サウナ、飲酒はできるだけ控えましょう。血行が良くなると、痛みが増強する恐れがあるためです。

治療後、特に痛みがある間は、上述した行為は控えて安静に過ごしてください。

 鎮痛剤を飲む

治療後の痛みが我慢できないほど強い場合には、医師と相談して鎮痛剤の服用を検討しましょう。特に問題が起きていなければ、鎮痛剤でコントロールできる範囲の痛みしか現れません。

1週間以上痛みが続いて日常生活に支障をきたしている場合や、鎮痛剤を飲んでも痛みが続く場合は、口腔内でのトラブルが発生している可能性があります。我慢せずに速やかに歯科医院を受診しましょう。

歯の神経の治療にかかる費用と期間

歯の神経の治療にかかる費用と期間イメージ

歯の神経の治療にかかる費用と期間について解説します。

 歯の神経の治療にかかる費用

歯の神経の治療は、保険診療と自由診療の2つがあります。保険適用される場合の治療費の目安は2,000円~5,000円程です。

自由診療の場合には、歯科医院によって差がありますが7万円~20万円程が目安でしょう。保険診療より高額になりますが、保険診療では使用できない高度な機材や道具で治療することが可能です。

また、かぶせ物に審美性が高いセラミックを使用した場合には、1本あたり10万円~15万円程の費用がかかります。自由診察であっても医療費控除の対象になる可能性があるため、確定申告の時期までは領収書を必ず保管しておきましょう。

 歯の神経治療にかかる期間

歯の神経治療にかかる期間は、患者さまの歯の症状によって大きく異なります。1回の診察にかかる時間は15〜30分程度、自由診療であれば制限がないので60分ほどかけることも可能です。

根管治療では、神経を抜いた部分の消毒を繰り返し行うため、平均して3回~5回程通う必要があります。治療期間としては、1〜2ヶ月ほどかかるでしょう。重症化しているほど治療期間が長期化するので、早めに受診することが重要です。

まとめ

歯の神経の治療が終わり笑顔の女性

本記事では、根管治療はどのような治療なのか、治療方法と費用について解説しました。虫歯や歯周病は自然に治ることはありません。

根管治療によってかかる歯や体への負担、通院による時間的・金銭的な負担を避けるためにも、早期発見や早期治療を行うことが大事です。歯の痛みを感じた場合には、速やかに歯科医院を受診するようにしましょう。

歯の神経の治療を検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。

当院では、一般歯科や予防歯科、矯正治療、ホワイトニング、マタニティー歯科など、さまざまな分野に力を入れています。ホームページはこちらご予約・お問い合わせもお待ちしております。