急速拡大装置とはどのような装置?メリットや注意点、費用も


こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

急速拡大装置を装着する子ども

急速拡大装置は、主に子どもの矯正治療に用いられる装置です。顎を拡大し、歯列の改善を図ります。また、成人においても一定の効果が期待され、矯正治療における重要な役割を果たします。

しかし、その効果を最大限に活かすためには、使用方法や注意点を正しく理解することが重要です。

この記事では、急速拡大装置の基本的な概要から、メリット・デメリット、治療を行う際の注意点や治療費用について詳しく解説します。急速拡大装置を導入しようと考えている方や、すでに使用している方は、ぜひ参考にしてください。

急速拡大装置とは

急速拡大装置を装着した子ども

急速拡大装置は、歯列矯正治療の一環として使用される装置です。上顎の骨を広げることを目的としています。

急速拡大装置は、顎の成長段階にあるお子さまに特に効果的です。具体的には6〜12歳ころの子供を対象にしており、この時期のお子様は骨の柔軟性が高いため、急速に拡大することが可能です。

歯科医院で固定式の装置を取り付け、3か月~6か月ほど使用して顎を拡大します。装置には拡大を行うためのスクリューが組み込まれており、指定された方法でスクリューを回すことで、顎を徐々に拡大していきます。

急速拡大装置の特徴は、拡大の速度が早い点です。顎の幅が狭くて歯並びに問題が生じている患者さまや、噛み合わせに問題がある患者さまに使用されることが多いです。

また、急速拡大装置は矯正治療の初期段階において使用されることも多いです。急速拡大装置で顎を広げておけば、その後の矯正処置をスムーズに進められるでしょう。

治療が終わると、通常は一定期間装置を装着したまま過ごし、拡大した顎を安定させます。

急速拡大装置のメリット

急速拡大装置のメリットイメージ

急速拡大装置を使用する最大のメリットは、治療効果を得られるまでの速さです。急速拡大装置は顎の幅を迅速に拡大できるため、短期間で目に見える成果を実感することができます。

ここでは、急速拡大装置のメリットをご紹介します。

子どもの成長を活かして進められる

急速拡大装置は、成長段階にあるお子さまにとって非常に有効です。子どもは顎の骨がまだ柔軟で成長過程にあるため、急速な拡大が可能です。成長時期に治療を行うことで、顎の成長を自然に誘導し、矯正治療を円滑に進められます。

歯列や噛み合わせを改善できる

急速拡大装置は、歯列や噛み合わせの改善にも貢献します。顎の幅を広げることによって、歯が正しい位置に並びやすくなり、歯並びや噛み合わせの問題が解消されるのです。これにより、見た目の改善だけではなく、噛む力や口腔内の健康も向上します。

加えて、噛み合わせの改善は顎関節や顎の痛みの軽減にもつながるため、患者さまの生活の質を大きく向上させることができます。

口呼吸を改善できることがある

上あごを拡大すると鼻腔のスペースも広がるため、鼻呼吸がしやすくなることがあります。口呼吸をしていると舌の位置が悪くなり、歯並びが乱れる原因になります。

特に、口呼吸が習慣化している子どもや、アレルギー性鼻炎を持つ場合には、呼吸がスムーズになると、睡眠の質や日中の集中力にも良い影響を与える可能性があります。

抜歯を避けられる可能性が高い

スペースが足りない場合、従来の矯正治療では永久歯を抜歯して調整するケースが多いです。

しかし、急速拡大装置であらかじめ顎の幅を広げておけば、歯が自然に並ぶスペースを作ることができ、抜歯を避けられる可能性が高まります。保護者にとっても子どもにとっても、心理的な負担の軽減につながります。

急速拡大装置のデメリット

急速拡大装置のデメリットイメージ

急速拡大装置には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、急速拡大装置のデメリットを紹介します。

不快に感じることがある

急速拡大装置を使用している間は、顎や歯に圧力がかかるため、痛みや違和感、不快感を覚えることがあります。この痛みは治療の初期段階に特に顕著に現れ、患者さまによっては食事や会話に支障をきたす場合もあります。

装置を管理する必要がある

急速拡大装置を使用している間、装置の管理が重要となります。スクリューを回すことで顎の拡大を進めるため、定期的なメンテナンスが求められます。正しい使い方をしないと、治療効果が得られないだけでなく、顎や歯に無理な負担をかけることもあります。

特に、スクリューを回すタイミングや回数を守ることが重要です。

治療後に保定期間が必要

急速拡大装置で顎の拡大を実施した後、一定の保定期間をも受ける必要があります。拡大した顎が元に戻らないように、保定装置を使って安定させる必要があるため、治療の完了後も一定期間のケアが求められます。

適応できない症例がある

急速拡大装置は、全ての症例に適応しているわけではありません。特に、成人の顎骨はすでに硬化しているため、拡大することが難しい場合があります。このため、成人には別の矯正治療法が選択されることが多いです。

適応範囲が限られている点もデメリットの一つと言えるでしょう。

急速拡大装置を使用する際の注意点

急速拡大装置を使用する際の注意点を説明する歯科医師

急速拡大装置を使用する際には、治療効果を最大限に引き出すため、いくつかの注意点を守ることが重要です。

装置の使い方を守る

急速拡大装置を使用する上で最も大切なのは、装置の使い方を正確に守ることです。急速拡大装置は、スクリューを回して顎の拡大を進める仕組みになっていますが、スクリューを回すタイミングや回数を誤ると、期待する効果が得られません。

医師の指示通りに行うことが、治療を成功させるための第一歩です。

口の中をきれいに保つ

装置を装着している間は特に、口腔内の衛生状態を常に保つことが求められます。急速拡大装置が装着されている間、歯磨きがしづらくなることがありますが、歯周病や虫歯を防ぐために、普段以上に丁寧な歯磨きを心がける必要があります。

装置の隙間やブラケット周りは汚れが溜まりやすいので、十分に注意しましょう。

無理をせず医師に相談する

治療中に痛みや違和感を覚えた場合には、無理に我慢せず、担当の歯科医師に相談することが大切です。痛みが強くなる前に調整を行うことで、治療のスムーズな進行が可能になります。

急速拡大装置を使用していると、顎や歯に違和感が生じることもありますが、痛みが続く場合にはすぐに対応してもらいましょう。

保定装置をしっかり装着する

急速拡大装置の使用期間が終了した後は、顎の状態を安定させるために保定装置の使用が必要です。保定装置の装着を怠ると、拡大した顎が元に戻る恐れがあるため、定期的なチェックや指示通りの装置の使用を続けることが求められます。

急速拡大装置を使用した治療の費用

急速拡大装置を使用した治療の費用イメージ

急速拡大装置を使用した治療には、健康保険が適用されません。そのため、実際にかかる費用は、歯科医院によって異なります。治療前に、費用の詳細について歯科医院でしっかりと確認しておくことが大切です。

キャンペーンや割引、モニター価格、分割払いなどを提供している医院もあるため、事前に相談しておくと良いでしょう。

矯正治療全体の費用は、一般的に3万円から5万円程度が相場とされています。

しかし、急速拡大装置の使用に加えて、後続の矯正治療が必要な場合、総額はさらに高くなる可能性もあります。そのため、治療前に予算を確認し、納得のいく治療計画を立てることが重要です。

まとめ

急速拡大装置を使用して治療した笑顔の子ども

急速拡大装置は、歯列矯正において顎の幅を広げるために使用される重要な治療装置です。特に、成長期のお子さまに効果的です。迅速に顎を拡大することができ、歯列や噛み合わせの改善を促進します。

一方で、急速拡大装置には痛みや不快感、装置の管理が必要な点などのデメリットもあります。また、成人の場合、顎骨が硬化しているため、拡大することが難しい場合もあります。

治療の際は、適切な診断と治療計画が重要であり、患者さま自身の協力も必要不可欠です。急速拡大装置には多くのメリットがありますが、その使用にあたってはしっかりとした知識と準備が求められます。

急速拡大装置による治療を検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。

当院では、一般歯科や予防歯科、矯正治療、ホワイトニング、マタニティー歯科など、さまざまな分野に力を入れています。ホームページはこちらご予約・お問い合わせもお待ちしております。