虫歯の進行について


世田谷区、下北沢の歯医者「下北沢駅前歯科クリニック」です。

これから歯の情報について情報発信をしていこうと思います。

1回目は「虫歯の進行」についてお話ししたいと思います。

目次

  1. 歯の構造について
  2. 虫歯の進行度合い
  3. まとめ

1.歯の構造について


虫歯の進行についてのお話の前に、まず「歯の構造」について簡単にお話しします。

エナメル質                                                         歯の一番外側を覆っている、目に見える一番硬い層のことです。歯への刺激から神経を守っています。

象牙質                                                              エナメル質の内側の層でエナメル質より柔らかい組織になります。そのため、象牙質に到達した虫歯の進行速度は速くなります。また、冷たい物や温かい物が象牙質に触れるとその刺激を神経へ伝えてしまい、痛みを感じます。

歯髄                                                                    歯の中にある、歯髄腔と呼ばれる部屋にある組織です。この中には神経、血管が通っています。

歯はこの三層から構成されています。


2.虫歯の進行度合い


虫歯の進行具合、どこまで穴が広がっているかによって症状は変わります。 虫歯の治療は、穴の深さ、症状によって処置内容、回数が変わります。

  • 初期虫歯

虫歯がエナメル質のみに限局している虫歯です。穴は浅く、痛みもなく、冷たい物や温かいものにしみることもありません。

自身で気づくことはあまりなく、歯科医院で見つかることが大半です。進行性でない虫歯については、すぐに削って治すのではなく「歯周治療、ブラッシング指導」で経過を見ることもあります。進行性の虫歯の場合(中が柔らかくなっていたり、物がつまりやすい場合など)は光で固まる白い樹脂「コンポジットレジン」で治すこともあります。治療回数は1回で終わることがほとんどです。しみている場合や治療時の痛みが出る場合には、麻酔をすることもあります。。

 

 

  • 中等度虫歯

象牙質に達している虫歯です。冷たい物、甘い物に痛みを感じるようになります。また、「穴が開いている、歯が欠けている」など自身で気が付くことがあります。治療方法はコンポジットレジンで治せることもありますが、虫歯が大きい場合は、強度不足のためコンポジットレジンでの治療は難しくなります。その場合、強度の強い金属やセラミックの白い詰め物で治します。型取りを行い詰め物を作ってもらうため治療回数も2~3回かかります。象牙質まで虫歯が到達していると治療中も痛みを感じる事があるため、麻酔を行います。

 

 

  • 重度虫歯

歯髄に達した虫歯です。「温かいものも痛む」「痛くて物が噛めない」「夜痛くて眠れない」「鎮痛剤を飲まないと生活に支障をきたす」など強い痛みが出ます。このような場合、神経がある歯髄をとらないと痛みはなくならないため、歯髄を取り除き歯髄の部屋を綺麗にする治療を行います。この治療を抜髄処置と呼びます。治療には麻酔が必要になりますが、強い痛みがある場合麻酔が効きにくいこともあります。

 

抜髄処置の手順・おおよその治療回数です。

①麻酔を行って虫歯・神経をとり、歯髄腔(歯髄の部屋)・根管を綺麗にする。(治療回数:1~3回)

②薬を、掃除してきれいな根管に挿入(治療回数:1回)

③歯の中を補強するための土台を立てる(治療回数:1回)

④かぶせ物の為の型取り(治療回数:1回)

⑤かぶせ物を付ける(治療回数:1回)


3.まとめ


虫歯が歯髄に到達すると、治療回数が増えます。さらに、歯髄をとった歯は寿命も短くなります。

また、虫歯が大きすぎる場合、残すことが出来なくなることもあり、その場合、抜かなくてはいけません。

つまり、虫歯は小さいうちに治療することが重要です。痛みなどの症状があるのに、「気のせいかな?」「痛みがあったけどなくなったから大丈夫」と放ってしまうと、痛みがぶり返し、より強い痛みになってしまいます。そうならないためにも、気になることがあったら歯科医院に行ってください。

また、定期健診で虫歯が見つかった場合、削る量が少ない治療で、短い治療期間で終わることが多いです。当院では3~4か月での定期健診を推奨していますが、少なくとも半年に1回は定期検診をうけ、治療が必要な歯はないか、歯石(固くなってしまった歯の汚れ)はついていないか診てもらい、適切な処置を行うことが大切です。