以前、口臭の原因についてお伝えしました。
では、実際に口臭がある場合どうするべきなのか、対策についてお話したいと思います。
目次
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1.口臭についておさらい
- ・生理的口臭
起床時や空腹時に起こる口臭。誰もが感じる口臭です。
- ・飲食物、嗜好品による一時的な口臭
- ・お口由来の病的口臭
- ・全身由来の病的口臭
- ・ストレスによる口臭
- ・ホルモンの変化による口臭
- ・心理的口臭
口臭の原因はいくつか挙げられます。
しかし、どの原因も根本は細菌の増加と唾液の減少です。
病的口臭の場合も生理的口臭の場合もお口の中をきれいにし細菌の増加を防ぐことが重要な事となります。
2.お口由来の病的口臭に対して
虫歯があったり、治療した詰め物や被せ物と歯の間に隙間があるとき、その部分に汚れがたまりやすくなります。
その汚れ(タンパク質)を細菌が分解し臭いを発します。
また、根の先に膿ができ、進行していくと、細菌だけでなくタンパク質を多く含む血液や膿が歯肉から出てきます。
これも口臭の原因となります。
歯周病によって歯肉の炎症が起こったときも、根の先に膿ができたときと同じように口臭の原因となります。
このようにお口の中に虫歯や歯周病、根の先に膿等がある場合はしっかり治療を行う必要があります。
いままでのブログでもお話したように、虫歯や不具合のある詰め物・被せ物がある場合は虫歯をとり詰め物・被せ物のやり直し。
根の先の膿がある場合は根の治療をおこない、感染の原因を神経の部屋からきれいにする必要があります。
歯周病の時は歯石や汚れをしっかり取り除き、炎症をなくすよう治療を行います。
3.舌苔に対して
舌苔とは舌に出来る白い苔の様なものです。
この苔はさまざまな細菌、食べかすや唾液の成分、お口の中の粘膜が剥がれたもの、などからできています。
口臭の原因の6割は舌苔から、と言われております。
舌苔を除去することで口臭を改善することがあります。
・舌苔除去方法
舌を湿った状態にしてから舌ブラシ(歯ブラシ)を奥から前方へ3回程度撫でるような力でかき出します。
最後にうがいをして終わりになります。
舌磨きは強い力でごしごしと何度も行ってしてしまうと舌を傷つけてしまうこともあります。
舌の粘膜が剥がれたり、出血してしまうことがあります。
剥がれた粘膜や、血液が口臭の原因の餌(タンパク質)となり、口臭が強くなる事もあります。
1日1回、撫でるような力で行うよう気を付けてください。
4.唾液の減少に対して
唾液とは本来臭いのない物です。
ですが、実際唾液が臭うように感じます。
お口の中の細菌が臭いの原因となるガスを作っています。
このガスが唾液と混ざり臭っているのです。
唾液が少なくなると、ガスを発生させる細菌が増加し、唾液中のガスの濃度は濃くなり、より臭うように感じるのです。
唾液を増やす方法
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①よく噛んで食べる
唾液の分泌は周囲の筋肉を使用することで促されます。
意識的に噛む回数を増やすことで口周りの筋肉を動かすよう心がけましょう。
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②唾液腺マッサージ
唾液が出るポイントは、耳下腺(じかせん)・顎下腺(がっかせん)・舌下腺(ぜっかせん)と呼ばれています。
ここを刺激することで唾液の分泌量を増やすことができます。
・耳下腺
耳の前あたりにあります。 親指を耳の後ろに、人差し指から小指までの4本の指を頬に当てて、後ろから前に向かって円を描くように動かします。
・舌下腺
下顎の前方の内側の窪みにあります。 両手の親指をそろえて顎の下の窪みにあて舌をやさしく押し上げます。
・顎下腺
下顎の後方の骨の内側の柔らかい部分にあります。 優しく押し上げるように、耳の下あたりから顎の下にかけて、顎の骨に添って骨の内側を5箇所ほどにわけて動かします。
マッサージと聞くと「ゴリゴリ押す」イメージがあるかもしれません。
しかし、強くやりすぎてしまうと顎関節や他の部分が傷つき痛めてしまうことがあります。
必ず優しい力加減で行いましょう。
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③水分補給
唾液は体の中の水分からできています。体内の水分が少ないと唾液も減ってきます。
十分な水分をとるよう心がけましょう。
また、カフェインやアルコールは利尿作用といって、尿によって体内の水分を出す作用があります。
取りすぎないよう注意が必要です。
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④リラックスする
リラックスして副交感神経が優位になっているときは唾液の分泌が増えます。
反対に、緊張したりストレスがあるときには交感神経が優位になるので、唾液の分泌が減ります。
ストレス状態を長引かせないよう、ご自身のストレス解消法を見つけて実行してみてください。
深呼吸はどこでも簡単に行える手軽なストレス解消方法です。
5.全身由来の病的口臭に対して
鼻は口とつながっているため、蓄膿症や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきます。
その為、口臭が起こります。
また、胃や消化器官の病気も口臭の一因になっている場合があります。
このような口臭の場合は内科や耳鼻咽喉科への受診が必要となります。
6.まとめ
健康な場合でも口臭は発生します。
ご自身で正しい判断を行うことが難しいのが口臭です。
また、口臭の原因はいろいろありますが、根本は細菌の増加と唾液の減少です。
いくつか対策をお伝えしましたが、正しく行わないと口臭が悪化したり、他の部位を傷つける可能性があります。
口臭が気になるときや、少しでも疑問に思うことがあるときはお気軽にご相談ください。