前回は乳歯の生え始め、永久歯の生え変わりについてお話ししました。
実はこの時期、とても虫歯になりやすい時期になります。
本日は乳歯の時期のお口の成長と、注意すべきポイントについてお話ししたいと思います
目次
乳歯の注意すべきポイント
乳歯は永久歯に比べエナメル質が薄く、虫歯になりやすい歯になります。
さらに神経のお部屋が広いため虫歯が神経のお部屋に到達するまでがとても早いです。
そのため、虫歯にしないよう注意が必要です。
しかし、虫歯になりやすい場所(好発部位といいます)は年齢により変化します。
乳幼児期の体の成長が著しいのと同じようにお口の中も成長による変化が大きいからです。
しかし、成長による変化だけでなく、食べ方や食形態も影響しています。
1~2歳(好発部位:前歯の裏側)
この時期は、食べ物をつかんでかじり食べる時期になります。
この時期は食べる事を勉強する時期になり、食育の観点からみるととても重要な時期になります。
上の前歯の裏側に食べ物が溜まりやすくなるため、その場所が虫歯になりやすい時期になります。
飲み物、飲み方にも注意が必要です。
1歳半をすぎたらコップで飲む練習を始めてください。
哺乳瓶を使用し続けると虫歯になりやすくなります。
これを「哺乳瓶虫歯」と呼ぶこともあります。
〇哺乳瓶虫歯
哺乳瓶を吸うと上の前歯の裏側に吸ったものが当たります。
さらに、哺乳瓶はコップやストロー飲みより飲み物が口の中にが溜まっている時間が長くなります。
そのため、哺乳瓶を長期間使用すると哺乳瓶を吸った時に当たる上の前歯の裏側が虫歯になりやすくなります。
ミルク以外にもスポーツドリンクやジュースを哺乳瓶で上げている方はご注意ください。
また睡眠前、ミルクを飲ませる方もいらっしゃるかと思います。
飲ませた後は、必ず歯磨きをしてから寝かせるように気を付けてください。
〇ジュースや甘い物について
赤ちゃん、幼児は正直で、賢いです。
おいしい物を知ると、それを欲します。
欲求が満たされない時は泣きだします。
泣いたときにそれが出てくると、「泣けばいいんだ!」と理解(誤解)してしまいます。
すると、次からは欲しい物がもらえるまで泣き叫びはじめます。
つまり、ジュースや甘い物を与えるのには注意が必要です。
まずはなるべく与えない(教えない)。
しかしこれは難しいと思います。
次に、欲して泣かれても、構わず、絶対にあげてはいけません。
泣き方が激しくなっても、絶対に与えてはいけません!
「これだけ泣けば出してくれるんだ」と新たな誤解が生じてしまいます。
そして諦めて、我慢した時は、すかさず褒めてあげましょう!
褒めてあげることが、泣き止んだことに対するご褒美になります。
実はこの方法、お菓子に限らず、望ましくない行動(スーパーでこれ買って、や、様々な事に対するイヤイヤ態度、等)をやめさせるときに適した方法になります。
初動を間違えると何度も何度も根気のいる対応が必要になるため、お気を付けください。
2~3歳(好発部位:奥歯の噛む面)
この時期になると奥歯で噛んで食べる事ができるようになります。
生えかけの奥歯の噛む面は食べかすが溜まりやすくなるため、その部位が虫歯になりやすくなります。
上の奥歯は仕上げ磨きをする時見えにくい場所になるため、特に注意が必要です。
4歳~5歳(好発部位:奥歯の歯と歯の間)
6歳ごろになると一番奥の乳歯のさらに奥から第一大臼歯(6歳臼歯)が出てきます。
お口の中では4歳ごろからその歯の生える準備が始まります。
永久歯が生えるためのスペースを作るために乳臼歯は押されて歯と歯の間のスペースが無くなり、ぴったりとくっついてきます。
歯と歯の間の虫歯は、直接見ることはできません。
そのため、気づいた時には大きな虫歯になっていることが多いため、注意が必要です。
まとめ
虫歯の数は減っていると言われています。
しかし、3歳までの虫歯の数は減っていますが、5歳以降の虫歯の罹患率は5割を超えています。
5歳から増える理由の一つに子供同士によるお菓子の交換が含まれています。
「家で食べたことない物をお友達からもらう」というシチュエーションが、あるかと思います。
それらを全て排除することは難しいです。
せめて、毎日の歯磨きで虫歯を予防していきましょう。
子供は成長にによって注意しなくてはいけないポイントが変わってくるため、歯磨きのポイントも変わってきます。
歯磨きのポイントについてはまた別の機会に詳しくお話していきたいと思います。