噛む回数を増やすための工夫


前回は、「噛むことと健康な体について」お話ししました。

噛む回数、一口の量、食べるスピードに気を付けることで

  • ・肥満予防
  • ・糖尿病予防
  • ・オーラルフレイル・口腔機能低下症の予防

につながります。

ただ漠然と噛む回数を増やすと言っても難しいかと思います。

食材の選び方や、調理の方法に少し工夫を加えるだけで噛む回数が増えます。

 

調理時の工夫


〇食材を大きめに切る

食材をあえて大きく切ることで、噛む回数が増え、噛む筋肉をより使うようになります

 

〇噛み応えのある食材を入れる

根菜類は噛む回数が増える食材です。

他に葉野菜の茎の部分、キノコ類、ナッツ類も噛む回数が増えます。

噛み応えのある食材をお魚、ひき肉など柔らかい食材と合わせることで咀嚼回数が増加します。

例えばハンバーグの中に角切りにしたれんこんを入れたり、ハンバーグの下に1㎝ほどのスライスしたレンコンを敷いて焼いてみると歯ごたえを感じられる一品になります。

 

〇加熱時間を減らす

生で食べられる野菜は生で、加熱調理する場合は加熱時間をできるだけ短くしましょう。

根菜なども少し硬さが残るくらいの火の通し加減を目指しましょう。

 

〇水分を少なくする

水分を少なくすると食材の噛み応えが上がります。

 


外食時の工夫


毎日料理するのは忙しくて難しい方もいらっしゃるかと思います。

外食時でも選ぶメニューや食べ方に気を付けてみてください。

 

〇噛み応えのある一品を追加

根菜のサラダや、つけもの等噛み応えのありそうなものを1品加えてみましょう。

 

〇お箸でお食事

前回もお話ししましたが、お箸は一回につまめる量が少ないので、おのずと一口量が少なく、口に入れる回数が増えます。

そのため咀嚼回数も必然的に多くなります。

メニューによってはスプーンを使用すると思いますが、出来る限りお箸を使用してみてください。

しかし、お箸を使用していてもかき込み食べをしていては意味がないので、注意してください。

 

〇時間をかけてお食事

咀嚼回数は基本的に咀嚼時間に比例します。

また、咀嚼の速さにあまり個人差はありません。

お食事の時間を長くすると必然的に咀嚼回数も増えます。

 

〇一口量を少なくする

一口量が多くなると、あまり噛まずに飲み込んでしまうことが多くなります。

 

〇お茶や水、汁物で流し込まない

お茶などと一緒だとあまり噛まなくても飲み込めてしまいます。

飲み物が欲しい時は、お口の中のものをしっかり噛み、飲み込んでから飲むようにしましょう。

 


まとめ


噛む回数を増やすことを意識しても常に意識し続けることは難しいかと思います。

噛み応えのある食材を使用して、噛む回数が自然に増えるように工夫してみてください。

実際、先ほどお話したレンコンを入れたハンバーグは普通のハンバーグより咀嚼回数が増えると論文でも明らかになっています。

また、子供の場合、顎の成長が足りないと歯列不正の原因になることが多いです。

歯ごたえのあるものをしっかり噛むことで、顎の成長を促す事ができるので、お子さんにも是非実践してみてください。

噛むときに痛みがある、噛みにくい、というときは歯科医院でお気軽にご相談ください。

治療を行うことで改善できることは改善し、健康なお口、健康な体を維持できるよう心がけてみてください。