前回は虫歯の仕組みや、虫歯のリスクを高める習慣についてお話ししました。
今回は、その習慣について詳しくお話ししたいと思います。
ダラダラ食べについて
- ・おやつを1日3回以上
- ・砂糖入りの飲み物を頻繁に飲む
- ・ゲームやスマホをいじりながらおやつを食べる
- ・口の渇きを感じやすい(唾液が少ない)
前回もお話ししましたが、お口の中が酸性に傾くと歯の表面のエナメル質が溶け始めます。
酸性状態が長く続くと穴が開くような虫歯になります。
飲食の回数が多かったり、何かをしながらおやつを食べたりすると、酸性に傾いた状態が長くなるため、虫歯リスクが高くなります。
また、酸性に傾いた口の中は、唾液の働きによって中性に戻ることができます。
つまり、唾液があまり出ない方も虫歯のリスクが高い方となります。
運動中のスポーツドリンクなども注意が必要です。
スポーツドリンクには多量の砂糖が含まれています。
スポーツドリンクを頻繁に飲むようになって虫歯ができるようになったというお子さんも少なくありません。
スポーツ時以外での飲用は控えましょう。
定年された方も、注意が必要です。
生活がガラッと変わり、家にいる時間が増え、甘いものを食べる機会が増えたという方も少なくないようです。
また、親や親戚の介護・看病などをするようになり、自分のケアに意識を向けるのが難しいという方もいらっしゃるようです。
介護・看病を行うと時間を作ることは難しいかもしれませんが定期健診は必ず通うようにしてください。
フッ素入り歯磨きについて
- ・フッ素入りの歯磨き剤を使っていない
- ・歯磨き剤を付ける量は少量
- ・歯磨き後のうがいをしっかり行う
フッ素には虫歯菌の酸の生成を抑えたり、再石灰化(酸性になり、溶けた歯の表面の修復)を促進したり、歯の酸への抵抗力を上げる作用があります。
フッ素入りの歯磨きを使用すると虫歯予防になります。
効果的に使用するために、フッ素が長く歯に留まる必要があります。
年齢に適した量を(なるべくたっぷりと)使用し、うがいは少量の水で一回行うようにしましょう。
・2歳以下:1000ppm以下、歯ブラシに1~2mm程度
・2~5歳:1000ppm程度、歯ブラシに5mm程度
・6歳以上:1500ppm程度、歯ブラシに1,5~2cm程度
また、フッ素入り歯磨き剤は1日2回、一回は就寝前に行うことが重要です。
歯磨きの習慣について
- ・夜、歯磨き後に食べ物を食べる
- ・歯磨きをせずに寝る
- ・歯磨きは1日1回未満
唾液には、歯の修復を助けるほかに、プラークが増えるのを防ぐ役割もあります。
しかし、寝ている間、唾液はほとんど出なくなります。
なので、虫歯のリスクを下げるためには、就寝前にしっかりプラークを減らすことが大切です。
ただ、唾液が出づらいということは、フッ素はとどまりやすくなります。
寝る前にフッ素入りの歯磨き剤をつけて歯磨きをすることは大きな効果があります。
睡眠時は唾液が減りプラークが増殖しやすい環境なので、プラークが最も増える時間帯は起床時になります。
なので、起床時、睡眠前の少なくとも二回は歯ブラシを行う必要があります。
定期健診の重要性
虫歯は痛いもの、と思われがちですが、痛みがないこともあります。
虫歯によって痛みが出てくる段階とは虫歯が神経にまで進行した大きな虫歯になったときです。
その段階になると、神経をとる処置が必要になり、結果的にその歯の寿命を短くしてしまうことになります。
なので、痛みなどがなくても定期的に歯科に通うことが大切です。
定期的に通うことで虫歯を小さいうちに見つけられ、早い段階で治療を行うことが可能になります。
また、定期健診で、ご自身の歯ブラシのチェックはもちろんのこと、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまう習慣をしていないか、を確認する機会になります。
まとめ
虫歯に影響を与える生活習慣は様々です。
皆さんは、どれくらい当てはまっていましたか?
生活習慣を一気に変えることは大変で、また、長続きしない原因となってしまいます。
まずはできることから、改善していくと良いと思います。