こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

子どもの歯並びに関して、不安を抱える保護者の方は少なくありません。「永久歯が生える前に治療は必要?」「矯正はいつから始めるべき?」といった疑問は、多くの方が一度は考えるテーマです。
特に最近では、見た目の印象や噛み合わせ、発音やあごの成長にまで影響することが広く知られるようになり、小児矯正への関心が高まっています。
しかし、矯正治療は始めるタイミングや方法によって効果が大きく異なるため、正しい知識を持って判断することがとても大切です。
今回は、小児矯正は何歳から始めるべきか解説します。小児矯正のメリット・デメリットや矯正方法、治療を始める際の注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
小児矯正は何歳から始めるべき?

小児矯正を始める適切な年齢は、一般的に6〜10歳ごろとされています。この時期は、乳歯から永久歯に生え変わる混合歯列期にあたり、歯やあごの成長を利用して矯正治療が行えるため、最も効果的なタイミングとされています。
しかし、実際の開始時期は子どもの歯並びやあごの発達状況によって異なります。たとえば、受け口(反対咬合)やあごの左右非対称が見られる場合には、もっと早い段階、4〜5歳で治療を開始することもあります。
一方で、特に問題がない場合は経過観察を行い、永久歯が生えそろう12歳頃まで治療を待つこともあります。
矯正治療には1期治療と2期治療があり、1期治療は主にあごの成長をコントロールするもので、永久歯が生える前に行われます。2期治療は永久歯が生えそろってから歯並びを整える治療です。どちらの治療が適しているかは、歯科医師の診断によって決まります。
そのため、小児矯正を始めるかどうかを悩んでいる場合は、まずは歯科医院で相談することが大切です。早期に問題を見つけることで、将来的な大掛かりな治療を避けられる可能性もあります。
小児矯正のメリット

ここでは、小児矯正の具体的なメリットについて解説していきます。
成長を利用して骨格のバランスを整えられる
小児矯正の最大のメリットは、成長期というタイミングを活かして骨格のバランスを整えられる点です。特に受け口や出っ歯、あごの左右のズレなど、骨格に関わる不正咬合の場合は、成長が止まったあとでは外科手術が必要になることもあります。
しかし、小児期であれば、あごの成長をコントロールする治療によって、自然なかたちで正しい噛み合わせへ導くことが可能です。見た目の改善だけでなく、噛む機能や発音、顔全体の印象にも良い影響を与えるため、早期の介入が有効とされています。
永久歯が正しい位置に生えるスペースを確保できる
乳歯と永久歯が混在する時期に矯正治療を始めることで、これから生えてくる永久歯が正しい位置に並ぶよう誘導することができます。
あごが小さい場合や歯が大きくてスペースが足りない場合は、永久歯が正しく並ぶ余地がなく、将来的に歯を抜いて矯正する必要が出てきます。
小児矯正では、あごの幅を広げることで、歯を並べるスペースを確保するため、抜歯を回避できる可能性が高まります。結果的に、将来的な治療負担を軽減できるのは大きな利点です。
悪習癖を早期に改善できる
指しゃぶりや舌を前に出す癖(舌突出癖)、口呼吸などは、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼす要因です。こうした悪習癖が続くと、あごの成長や歯の位置にまで影響が出ることがあります。
小児矯正では、こうした癖に早く気づくことができ、必要に応じてトレーニングや装置によって改善を図ります。習慣が固定化する前に対処することで、長期的な口腔環境の悪化を防ぐことができます。
見た目や発音への良い影響
歯並びが整うことで、笑顔に自信を持てるようになり、子どもの自己肯定感にも良い影響を与えます。また、前歯の隙間や位置のずれが発音に影響している場合、矯正することで正しい発音がしやすくなることもあります。
見た目や話し方が改善されることで、友人関係や学校生活にもプラスの効果が期待できます。
小児矯正のデメリット

ここでは、小児矯正のデメリットについて解説していきます。
治療期間が長くなる可能性がある
小児矯正は、あごの成長や歯の生え変わりに合わせて進めていくため、治療期間が長くなる傾向があります。
特に1期治療を行ったあとに、永久歯が生えそろってから2期治療に移行する場合、合計で数年かかることもあります。そのため、子ども自身がモチベーションを保ち続ける必要があり、保護者の方のサポートも欠かせません。
治療の途中で通院を嫌がるようになったり、装置の使用を怠ったりすると、効果が十分に得られない可能性があります。
費用が高くなる場合がある
小児矯正は、成長段階に応じて複数の治療ステップを踏むことが多く、結果として費用が高額になることがあります。
例えば、1期治療であごの成長をコントロールしたあと、2期治療で歯並びを整えるという2段階の治療を行う場合、それぞれに費用が発生します。また、装置の交換や調整のための通院費用などもかかるため、事前にトータルの費用を確認しておくことが重要です。
装置によるストレスや違和感がある
矯正装置を口の中に装着することで、子どもが違和感を覚えたりストレスに感じたりすることがあります。特に初めて装置をつける際には、食事がしにくい、話しにくい、口内炎ができやすいなどの問題が起こることがあります。
慣れるまでには一定の時間が必要であり、子どもによっては強い拒否反応を示すこともあります。無理に続けると心理的な負担にもつながるため、装置の種類や装着方法についても慎重に選ぶ必要があります。
小児矯正を始める際に大切なこと

ここでは、小児矯正を始める際に大切なことについて解説していきます。
歯科医師による正確な診断を受ける
小児矯正を始める際には、まず信頼できる歯科医師による診断を受けることが重要です。見た目では問題がなさそうに見えても、噛み合わせや骨格に将来的なリスクが潜んでいる場合があります。
歯科医師によるレントゲン撮影や模型分析などの精密な検査を通じて、現在の口腔状態やあごの成長予測を把握し、最適な治療開始時期や治療方針を決定します。早く始めれば良いというものではなく、タイミングを見極めることが大切です。
子ども本人の理解と協力が必要
矯正治療は長期間にわたり、装置の装着や通院など子ども自身の協力が欠かせません。そのため、保護者の方の判断だけでなく、子ども本人が治療の目的を理解し、前向きに取り組むことが重要です。
治療の意義をわかりやすく説明し、不安や疑問を丁寧に取り除くことで、子どものモチベーションを高めることができます。また、装置の管理や生活上の注意点についても子ども自身が意識を持つことで、治療の効果が高まります。
保護者の方による継続的なサポートが必要
治療中は、子どもが装置を正しく使用できているか、通院を忘れていないかなど、保護者の方のサポートが欠かせません。特に、取り外し式の矯正装置は毎日一定時間装着する必要があるため、日常的な声かけや管理が重要になります。
また、食事や歯みがきに関する配慮も必要であり、治療に関する家族の協力体制が整っているかが、成功の大きな要因となります。
子どもの矯正方法

ここでは、子どもの矯正方法について解説していきます。
1期治療
1期治療とは、主に6〜10歳頃に行われる早期の矯正治療で、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期にあたります。この時期の矯正は、歯並びそのものよりも、あごの成長や噛み合わせのバランスを整えることが主な目的です。
あごが小さい子どもには、顎を広げる拡大装置を用いて永久歯の生えるスペースを確保したり、前歯の突出を抑える装置を使ったりします。骨の成長が活発な時期に介入することで、将来的な不正咬合を予防し、2期治療の必要性を減らすことができます。
2期治療
2期治療は、永久歯がすべて生えそろったあと、通常は12歳前後から行われる矯正治療です。この段階では、歯を1本ずつ動かして整え、最終的な噛み合わせを完成させることが目的となります。
2期治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、成人の矯正と同様の方法が用いられます。すでに骨の成長が落ち着いてきているため、1期治療と比べると骨格的な変化は難しくなりますが、歯並びの審美性と機能性を高めることが可能です。
まとめ

小児矯正は、あごの成長を正しく導き、将来的な口腔トラブルを未然に防ぐ役割を持っています。特に、成長期という限られた時期を活かして治療を行うことで、骨格的なバランスの改善や永久歯の適切な生え変わりをサポートできる点は、小児矯正の大きなメリットです。
一方で、治療期間が長くなったり、費用面の負担がかかったりするなどのデメリットも存在します。そのため、小児矯正を検討する際は、まず歯科医院でしっかりと診断を受け、子ども本人の意欲や家庭のサポート体制なども含めて総合的に判断することが大切です。
お子さまの健やかな成長と将来の口腔健康のために、小児矯正について正しい知識を持ち、最適なタイミングでのスタートを検討してみてはいかがでしょうか。
小児矯正を検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。
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