こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

虫歯は多くの人が経験する身近な病気ですが、放置していると深刻な健康への影響を及ぼす可能性があります。
初期段階の虫歯は自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行していることも少なくありません。虫歯をそのままにしておくと、歯の神経にまで達して激しい痛みが生じたり、歯を失うリスクが高まったりします。
今回は、虫歯を放置することによる主なリスクと、進行段階に応じた治療方法についてわかりやすく解説します。虫歯の予防法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
虫歯を放置するとどうなる?

虫歯は、初期のうちは自覚症状がないため、気づかずに放置している方も多いのではないでしょうか。
しかし、虫歯は放置すればするほど深刻な問題を引き起こします。ここでは、その代表的な症状やリスクについて見ていきましょう。
痛みやしみる症状が悪化する
初期の虫歯では、ほとんど痛みを感じないこともありますが、進行するにつれて痛みやしみる症状が出てきます。虫歯が歯の神経に達すると、眠れなくなるほど強い痛みが現れることもあります。
虫歯が進行する
虫歯は自然に治ることはありません。放置すれば確実に進行し、やがて歯の内部へと侵食していきます。初期段階では白い斑点のように見えるだけですが、やがて黒ずみ、穴が開き、細菌が繁殖していきます。
さらに進行すると、歯の構造が破壊され、脆く崩れやすい状態になります。最終的には歯冠部が崩壊し、歯根だけが残るケースもあります。見た目にも悪影響を及ぼすほか、口内環境全体が悪化し、他の歯への感染リスクも高まります。
口臭が強くなる
虫歯を放置すると、口臭が強くなることもあります。虫歯の穴に食べかすや細菌がたまり、そこから腐敗臭のような不快なにおいが発生するためです。特に虫歯が重度の状態にまで進行し、歯の根の先に膿がたまると、さらに強烈なにおいを放つこともあります。
どんなに歯磨きをしても口臭が改善されない場合、虫歯や歯周病が原因であることが多いのです。口臭は自分では気づきにくいものですが、周囲の人に不快感を与えることもあるため、早めに治療を受けることが重要です。
歯を失うリスクが高くなる
虫歯が進行して歯根まで達すると、抜歯が必要になることがあります。神経が死ぬと痛みが一時的に消えるため、治ったと誤解する人もいますが、実際には歯の内部で感染が広がっている状態です。
細菌が歯の根の先にまで及ぶと、骨を溶かす根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)を引き起こし、歯を支える力が失われてしまいます。一度失った歯は二度と元には戻らず、ブリッジやインプラントなどの高額な治療が必要になることもあります。
全身の健康に影響を及ぼす
虫歯を長期間放置すると、細菌が血流に乗って全身へ広がり、心臓や脳、肺などに悪影響を及ぼす可能性があります。特に、高齢者や糖尿病、心疾患などの持病を抱えている人は免疫力が低下しているため、感染症が重症化しやすい傾向にあります。
近年の研究では、虫歯や歯周病が動脈硬化、誤嚥性肺炎、さらには早産リスクにも関係していることが明らかになっています。
つまり、虫歯をたかが歯の病気と軽く見るのは危険なのです。お口の健康は全身の健康の入り口でもあります。小さな虫歯でも放置せず、早めに治療を受けることが、健康な身体を守る第一歩になるのです。
虫歯の治療法

虫歯の進行度によって治療法は大きく異なります。ここでは、虫歯の進行段階ごとに代表的な治療法をご紹介します。
初期の虫歯の治療
初期の虫歯は、まだ歯の表面にわずかに脱灰(だっかい)が見られる程度で、痛みもほとんどありません。この段階では歯を削る治療は行わず、再石灰化を促すケアが中心となります。
具体的には、フッ素塗布によって溶けたエナメル質を修復し、虫歯の進行を抑えます。また、食生活の見直しや正しいブラッシングによって、プラークの付着を防ぐことも重要です。早期発見・早期対応ができれば、痛みを伴う治療を避けることができます。
エナメル質の虫歯の治療
虫歯がエナメル質にとどまっている場合、虫歯部分を削り、コンポジットレジンという樹脂を充填して、自然な見た目に仕上げます。早い段階で治療すれば、痛みも少なく、通院回数も1〜2回程度で完了することが多いです。
象牙質の虫歯の治療
虫歯が象牙質にまで進行すると、冷たいものや甘いものを口にしたときにしみる症状が現れます。この段階では虫歯部分を削り、詰め物で修復します。歯を大きく削った場合には、被せ物を装着するケースもあります。
放置すると虫歯が神経にまで達して、強い痛みが生じる可能性があるため、早めに治療を受けることが大切です。治療後は、再発を防ぐために定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。
神経まで達した虫歯の治療
虫歯が神経にまで進行している場合は、根管治療(こんかんちりょう)が必要です。
感染した神経を取り除き、根の中を洗浄・消毒して薬剤を詰めることで、再感染を防ぎます。治療には数回の通院が必要ですが、歯を抜かずに残すための大切な処置です。根管治療後は、クラウン(被せ物)を装着して歯の強度を補強します。
放置すれば歯根の炎症が悪化し、最終的に抜歯せざるを得なくなるため、早めの受診が何より重要です。
歯の根の先まで進行した虫歯の治療
虫歯が歯の根の先まで進行すると、根の周囲に膿がたまり、歯茎の腫れや激しい痛みを伴うことがあります。この状態は根尖病変(こんせんびょうへん)と呼ばれ、歯の内部だけでなく骨にまで炎症が及んでいる場合もあります。
治療ではまず、根管内の感染した組織を徹底的に除去し、消毒を繰り返して再感染を防ぎます。歯を残すことが難しいと判断された場合は、抜歯を行い、ブリッジやインプラント、入れ歯などの補綴治療で歯の機能を回復させます。
ここまで虫歯が進行すると、治療期間も長く、費用もかかるため、早期に治療を受けることが大切なのです。
虫歯を予防する方法

虫歯を防ぐための方法は、以下のとおりです。
正しい歯磨き習慣を身につける
虫歯予防の基本は、正しい歯磨き習慣です。
食後はしっかりと歯磨きを行い、歯と歯の間や歯茎との境目など、汚れが残りやすい部分も意識して磨きましょう。歯ブラシは毛先が広がる前に交換するのが理想です。さらに、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、プラーク除去率が格段に上がります。
食生活を見直す
砂糖を多く含む食品や飲み物を頻繁に摂取すると、口の中が酸性に傾き、虫歯菌が活発に働くようになります。間食を控え、食事の回数を規則正しくすることが大切です。
また、唾液の分泌を促すためによく噛む習慣を身につけましょう。唾液には口内の酸を中和し、再石灰化を促す働きがあります。キシリトールガムを活用するのも有効です。食事内容の見直しは、虫歯予防だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。
フッ素を活用する
フッ素には、歯の再石灰化を促進し、エナメル質を強化する効果があります。自宅ではフッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用し、定期的に歯科医院で高濃度フッ素を塗布してもらうとより効果的です。
特に子どもの歯はエナメル質が薄く、虫歯になりやすいため、フッ素ケアを習慣化することが重要です。
定期的に歯科検診を受ける
虫歯は早期発見・早期治療が何より重要です。そのため、自覚症状がなくても、3〜6か月に1回は歯科検診を受けることが推奨されます。
歯科医院では、虫歯や歯周病の有無を確認するだけでなく、歯のクリーニングも受けられます。定期的にプロによるケアを受けることで、セルフケアでは落としきれない汚れを除去でき、虫歯の発生を予防できます。
まとめ

虫歯を放置すると、歯だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼします。
初期の段階であれば簡単な処置で済むことが多いですが、進行すれば治療が複雑化し、最悪の場合は歯を失うことにもつながります。痛みが出た時点で受診するのではなく、違和感を覚えた段階で歯科医院を受診することが大切です。
また、日頃の正しい歯磨き、バランスのとれた食生活、フッ素の活用、定期検診を習慣づけることで、虫歯の発生を防ぐことができます。自分の歯を長く健康に保つために、今できるケアを一つずつ実践していきましょう。
虫歯の症状にお悩みの方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。
当院では、一般歯科や予防歯科、矯正治療、ホワイトニング、マタニティー歯科など、さまざまな分野に力を入れています。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせもお待ちしております。あわせて公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。



