こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。
歯並びや口元の見た目を整える手段として、近年注目されているのがマウスピース矯正です。装置は透明で目立ちにくく、取り外しができることから、従来のワイヤー矯正に比べて日常生活への支障が少ない点が魅力です。
しかし、マウスピース矯正を行ううえで見落とされがちなのが噛み合わせです。見た目が整っていても、噛み合わせに問題が残ると、将来的に歯や顎に悪影響を及ぼす可能性があります。
今回は、マウスピース矯正で噛み合わせは治せるのか解説します。マウスピース矯正中に噛み合わせが悪くなる原因についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
噛み合わせとは
噛み合わせとは、上下の歯が噛み合う位置関係のことを指します。正常な噛み合わせでは、食べ物を効率よく噛み砕くことができ、顎や筋肉にも無理な力がかかりません。
一方で、噛み合わせが悪いと、咀嚼や発音に支障が出たり、歯がすり減ったり、顎関節に痛みを引き起こしたりすることがあります。
歯並びと噛み合わせは似て非なるもので、見た目が整っていても、機能的な問題が隠れている場合もあります。そのため、矯正治療を行う際は、噛み合わせの調整も非常に重要なポイントとなります。
特にマウスピース矯正では、見た目の改善に偏りがちになるため、注意が必要です。噛み合わせの重要性を理解し、正しい知識を持って治療に臨むことが、将来的な健康を守ることにつながります。
噛み合わせが悪くなることで起こる問題
噛み合わせの乱れは、見た目だけでなく体全体にさまざまな悪影響を及ぼします。
食事や発音がしにくくなる
噛み合わせが悪くなると、まず影響を受けやすいのが食事と発音です。上下の歯が適切に接触していないと、咀嚼が不十分になり、食べ物をしっかりと噛み砕くことができません。結果として消化不良を引き起こす場合もあります。
また、前歯の噛み合わせがずれていると、サ行やタ行などの発音が不明瞭になり、会話がしづらくなることがあります。特に人と接する仕事をしている方にとっては、大きなストレスとなることもあるでしょう。
顎関節に負担がかかる
噛み合わせの不具合は、顎関節にも大きな負担を与えます。左右の噛み合わせにずれがあると、顎の動きが偏り、関節に無理な力がかかることになります。これが長期間続くと、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。
顎関節症になると、顎の痛みや開閉時の違和感、音が鳴るといった不快な症状を引き起こします。また、肩こりや頭痛などの全身症状を伴うこともあるため、軽視せずに早めの対処が求められます。
歯の寿命が短くなる可能性がある
噛み合わせが悪い状態が続くと、特定の歯に過度な負担がかかり、歯の寿命を縮めるリスクも高まります。
例えば、一部の歯だけが強く当たっている状態が続くと、歯がすり減ったり、ひび割れたりするリスクが高まります。さらに、歯を支える骨や歯茎にも悪影響を及ぼし、歯周病の進行が早まる可能性もあります。
矯正治療の目的は見た目の改善だけでなく、機能的にも長く健康な状態を保つことにあるため、噛み合わせのバランスは非常に重要です。
マウスピース矯正で噛み合わせは治せる？
マウスピース矯正は、歯並びを整えるだけでなく、噛み合わせの改善にも一定の効果が期待できる矯正方法です。
特に軽度から中等度の噛み合わせの乱れであれば、精密な治療計画に基づいて、歯の移動を細かくコントロールできるため、噛み合わせのバランスを整えることが可能です。
しかし、治療を進めるなかで、一時的に噛み合わせに違和感を覚えることがあります。これは、歯が段階的に移動している過程で、上下の歯の接触位置が変わっていくために起こる現象です。
多くの場合、計画通りに矯正が進んでいる証拠ともいえるもので、治療が進むにつれて自然と落ち着いていきます。
とはいえ、違和感が長期間続くような場合には、歯科医師に相談することが大切です。
また、骨格的な問題や重度の不正咬合を伴うケースでは、マウスピース矯正のみで完全に噛み合わせを整えることが難しい場合もあります。そのような場合には、ワイヤー矯正や外科矯正など、他の治療法との併用が検討されることもあります。
マウスピース矯正中に噛み合わせが悪くなる原因
治療中に噛み合わせが悪化することもありますが、主に以下のような原因が考えられます。
マウスピースの装着時間を守れていない
マウスピース矯正では、装着時間の管理が非常に重要です。基本的にはマウスピースを1日20〜22時間装着する必要がありますが、これを守れていないと、計画通りに歯が動かず、歯列や噛み合わせにズレが生じやすくなるのです。
外出時や食事のたびに長時間外す習慣がつくと、マウスピースが歯にフィットしなくなり、治療全体に悪影響を及ぼす可能性があります。少しの油断が、のちの大きなズレにつながるため、装着時間は意識的に確保することが重要です。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある
睡眠中や無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりは、マウスピース矯正中の歯の動きに悪影響を与えることがあります。これらの癖があると、特定の歯に強い力が加わり、計画的な歯の移動を妨げてしまうのです。
さらに、噛み合わせが変化している最中に強い圧がかかることで、歯列全体のバランスが崩れ、顎や関節への負担が増すこともあります。
マウスピースが変形・破損している
マウスピースは精密に設計された医療器具であり、変形や破損があると正確な力が歯に加わらなくなります。高温の場所に置いたり、誤って踏んだり、過度な力で取り外したりすると、マウスピースが歪むことがあるのです。
変形したマウスピースを使用し続けると、歯が意図しない方向に動いてしまい、噛み合わせが乱れる原因となります。毎日丁寧に扱い、異常が見られた場合はすぐに歯科医院で相談することが大切です。
マウスピース矯正中に噛み合わせに違和感を覚えたときは
治療中に噛み合わせに違和感を覚えた場合は、早めに対処することが大切です。
マウスピースの装着時間を守る
まず確認したいのが、マウスピースの装着時間です。装着時間を守れていないと、歯が計画通りに動かず、噛み合わせのズレが起こりやすくなります。特に、仕事や外出などでつい外す時間が長くなっている方は注意が必要です。
違和感を覚えたときは、マウスピースを1日20〜22時間装着できているかを見直し、確実に装着することが大切です。装着時間の管理は、違和感の予防にもつながる基本の対策です。
歯ぎしり・食いしばりを改善する
噛み合わせの違和感が歯ぎしりや食いしばりによって生じている場合は、その癖を改善する必要があります。
このような癖を改善するためには、まず自分にその傾向があるかどうかを意識することが重要です。日中に歯を食いしばっていないか、上下の歯が無意識に触れていないかを意識的に観察し、気づいたときにはリラックスした状態に戻すよう心がけましょう。
また、ストレスが原因となっている場合もあるため、生活習慣を見直したり、リラクゼーションを取り入れたりすることも、症状の軽減につながります。
マウスピースが変形・破損していないか確認する
マウスピースが変形していたり、ひび割れていたりすると、正確に歯にフィットせず、噛み合わせに違和感が生じる原因となります。取り外したあとに落とした、熱湯で洗浄した、などの心当たりがある場合は特に注意が必要です。
毎回の装着前にマウスピースの形状や表面を確認し、異常があれば早めに歯科医院で相談しましょう。無理にそのまま使用し続けることは、治療の進行を妨げるだけでなく、症状を悪化させる恐れもあります。
歯科医師に相談する
最も重要なのは、自己判断せずに歯科医師に相談することです。
違和感を放置すると、後戻りや治療の長期化につながる可能性もあります。定期的な通院を守ることはもちろん、少しでも気になる点があれば、その都度相談することが、スムーズで確実な治療につながります。
まとめ
マウスピース矯正は、目立ちにくく取り外しができる装置を使用することから、近年多くの方に選ばれている矯正治療です。
しかし、見た目の歯並びだけでなく噛み合わせの改善も重要な目的であることを忘れてはいけません。噛み合わせが乱れたままだと、食事や発音のしにくさ、顎関節への負担、さらには歯の寿命を縮めるリスクにつながります。
矯正治療中に一時的な違和感が生じることは珍しくありませんが、装着時間の管理や生活習慣の見直しなどを怠らないことが、トラブルを未然に防ぐためのポイントです。また、少しでも不安や不快感がある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
マウスピース矯正を検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。
当院では、一般歯科や予防歯科、矯正治療、ホワイトニング、マタニティー歯科など、さまざまな分野に力を入れています。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせもお待ちしております。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。
