口臭の原因について


コロナが蔓延し、3年たちました。

マスク生活が始まり、ある相談が増えました。

「においが気になる」

今回はお口のにおい「口臭の原因」についてお話ししたいと思います。

 

 

目次

  1. 口臭とは
  2. 原因
  3. 細菌と口臭
  4. 唾液と口臭
  5. まとめ

 


1.口臭とは


口臭とは「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」と定義されています。

口臭は自分自身で気づくこともありますが、周りの人からの指摘や、周りの人のしぐさで気が付くことが多いです。

これは嗅覚の順応と言って自分自身では臭いに慣れてしまうためです。

しかし、マスクをすることでご自身の口から吐く息を鼻から吸う量が多くなります。そのため臭いが気になりやすくなります。

 


2.原因


・生理的口臭

朝起床時や、空腹時などで起こる口臭です。

誰もが起こり、一時的な口臭です。

唾液が減少し、口臭の原因となる細菌が一時的に増えることで起こります。

歯磨きや食事をとることで気にならなくなります。

 

・飲食物、嗜好品による一時的な口臭

ニンニクやネギなど臭いの強い食品や、アルコール、タバコなどを摂取することで起こります。

 

・お口由来の病的口臭

虫歯や歯周病、舌苔などが原因で起こる口臭です。

お口の中が乾くドライマウスも口臭の原因となります。

 

・全身由来の病的口臭

お口以外の疾患が原因で起こる口臭です。

呼吸器系疾患、消化器系疾患や糖尿病などが原因となりうることがあります。

糖尿病は歯周病と合わさることで病状を両方とも悪化させてしまいます。

また、基礎疾患のお薬で口臭が強くなることもあります。

 

・ストレスによる口臭

強いストレスや、過度な緊張状態で口が乾いたと感じることがあると思います。

唾液の分泌は自律神経(交感神経と副交感神経)が調節しています。

リラックスして副交感神経が優位になっているときは唾液の分泌が増えます。

反対に、緊張したりストレスがあるときには交感神経が優位になるので、唾液の分泌が減ります。

唾液が減るため口臭が強くなります。

 

・ホルモンの変化

生理時、妊娠時、思春期、更年期など、女性ホルモンの変化があるときに口臭が強くなることが分かってきました。

そのメカニズムはまだ詳しくはわかっていません。

精神的に不安定になりやすく、その影響で唾液が減る、ホルモンの変化で唾液が濃くなるなどが原因と考えられています。

 

・心理的口臭

口臭があると感じていても、実際は口臭が認められない場合があります。

自臭症や口臭恐怖症と呼ばれることもあります。

 

口臭の原因はいくつか挙げられます。また、原因が重なることも多くあります。

しかし、どの原因も根本は細菌の増加と唾液の減少です。

 


3.細菌と口臭


剥がれ落ちた粘膜のカスや舌苔、食べかす等に含まれるタンパク質は口の中(舌苔やプラークの中)の細菌によって分解・発酵されます。

その過程で出るガスが口臭の原因となります。

  • メチルメルカプタン :たまねぎが腐ったような臭い
  • 硫化水素 :卵が腐ったような臭い
  • ジメチルサルファイド :キャベツが腐ったような臭い

 

メチルメルカプタンは口臭の強弱と強い関係があるとされています。そのため、口臭を評価する指標となっています。

 


4.唾液と口臭


唾液腺は「噛む」「話す」など口を動かすことで刺激され、唾液を作り出します。

唾液には口の中を洗浄する作用(自浄作用)があります。

寝ている間やストレスで唾液が減ると自浄作用が下がり、細菌が増えてしまいます。

睡眠中は唾液量が減り、口呼吸や水分不足などで口が乾燥しやすくなります。

そのため一日の中でもっとも臭いが強くなるのは起床時となるのです。

また、自浄作用は濃度の濃いネバネバの唾液よりサラサラの唾液でより効果を発揮します。

ホルモン変化時、濃い唾液になるとことで自浄作用が落ちてしまうため口臭が強くなると考えられています。

 


5.まとめ


このように一言で口臭と言っても原因は様々です。

お口の中だけでなく体の不調が原因になっている場合もあります。

また一日の中でも口臭の強さは変動します。

そのため、自分の口臭を正しく判断を付けるのは難しいです。

口臭が気になるとき、特に気になる体の不調がない場合は、一度歯科を受診し、ご相談ください。