こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

子どもが虫歯になっても、乳歯はそのうち抜ける歯だから治療しなくても大丈夫と思っている保護者も多いのではないでしょうか。乳歯はいずれ生え変わるとはいえ、虫歯になると後に生えてくる永久歯にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
虫歯になった乳歯を治療せずに放置していると、永久歯が適切に生えてこなかったり歯の質が悪くなったりするかもしれません。
この記事では、乳歯にできた虫歯が永久歯に及ぼす影響をはじめ、乳歯が虫歯になりやすい理由や予防法などについても詳しく解説していきます。
目次
乳歯の虫歯を放置すると永久歯にも影響が及ぶ?

乳歯はやがて抜け落ちて永久歯へと生え変わりますが、だからといって虫歯をそのままにして良いわけではありません。乳歯には、永久歯が正しい位置に生えてくるための道しるべとしての役割があります。
虫歯などが原因で乳歯が早く失われると、その下で成長している永久歯が正しい位置に生えてこられず、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすおそれがあります。
さらに、乳歯にできた虫歯が進行すると、歯の根の部分や周囲の組織にまで炎症が広がることがあります。炎症が乳歯の下に控えている永久歯の芽(歯胚)に影響を与えると、永久歯の形成異常や色の変化などを引き起こす可能性があります。
また、食事が不十分になったり発音に影響が出たりと、子どもの発育全体に影響を与えることも無視できません。特に3〜6歳の時期は乳歯がすべて生え揃い、永久歯へのバトンタッチの準備期間ともいえる大切な時期です。
この時期に口腔内の健康が損なわれると、将来的な歯科トラブルのリスクが高まるのです。
乳歯が虫歯になりやすい理由

乳歯は永久歯と比べて虫歯になりやすいといわれています。ここでは、乳歯が虫歯になりやすい理由について、詳しく解説します。
歯が薄くてやわらかいため
乳歯のエナメル質や象牙質は永久歯と比べて薄く、やわらかい構造をしています。このため、虫歯菌が出す酸に弱く、虫歯の進行がとても早いのが特徴です。自覚症状が出始め、気づいたときには、すでに歯の神経に達していることも少なくありません。
歯と歯の間が狭くて磨きにくいため
乳歯の時期は歯と歯が密接しています。特に、奥歯は歯ブラシの毛先が届きにくい構造をしています。そのため、歯垢が残りやすく、虫歯の温床になりやすいのです。
さらに、子ども自身での歯磨きが不十分なことも多く、保護者の仕上げ磨きが非常に重要になります。
甘い食べ物・飲み物の摂取が多いため
小さな子どもは甘いお菓子やジュースを好む傾向がありますが、糖分は虫歯菌のエサとなり、口の中で酸を作り出します。これが虫歯を発生・悪化させる原因になります。
おやつの時間を決めたり、ナッツや果物など砂糖が含まれていないものをおやつにしたりすると良いでしょう。
唾液の自浄作用が弱いため
子どもは大人と比べて唾液の量が少なく、唾液による自浄作用や抗菌作用が十分ではありません。特に、就寝中は唾液の分泌が減るため、就寝前の歯磨きを怠ると虫歯のリスクが一気に高くなります。
口の中の汚れを洗い流すためにも、こまめに水を飲んだりうがいをしたりするようにしましょう。
口腔環境が不安定なため
乳歯が生え始める1歳前後から3歳ごろまでは、口の中の環境がまだ整っておらず、虫歯菌が繁殖しやすい状態になっています。唾液の分泌や噛む力も発達途中で、食べかすや汚れが残りやすいため、口腔内の清潔を保つのが難しくなります。
また、保護者も歯磨きのタイミングや方法に迷う時期であり、ケアが不十分になりやすいことも虫歯のリスクを高める要因です。
他者から虫歯菌がうつることがあるため
乳歯の虫歯は、単に食生活や歯磨き不足だけが原因ではありません。実は、身近な大人の口から虫歯菌(ミュータンス菌)がうつることもあります。特に、乳歯が生え始めた時期は虫歯菌が定着しやすい重要な時期といわれています。
乳歯は再石灰化しにくいため
食事や飲み物によって歯が酸性環境にさらされると、歯の表面からミネラルが溶け出す脱灰が起こります。
しかし、唾液などの働きでこれを修復する再石灰化も同時に行われています。乳歯はこの再石灰化の力が永久歯よりも弱く、脱灰の影響を受けやすい構造をしているため、虫歯が発生しやすいのです。
特に、口腔内のpHバランスが崩れやすい幼児期では、虫歯のリスクが高まります。
子どもが痛みを訴えにくいため
乳歯が虫歯になっても、子ども自身が違和感や痛みをうまく表現できない場合があります。また、多少の不快感があっても、遊びに夢中だと我慢することも珍しくありません。これにより、虫歯の発見が遅れ、進行してから気づくケースが多くなります。
お子さまからの言葉を待つのではなく、保護者のほうから、注意深く子どもの口の中を観察することが大切です。
乳歯が虫歯になるのを防ぐためには

乳歯が虫歯になるのを防ぐためには、毎日歯を磨くことはもちろん、定期的に歯科医院に通い、専門的なサポート受けることも重要です。虫歯を予防することで、痛みや不快感を防げるだけではなく、永久歯の適切な成長も促進できます。
以下、乳歯が虫歯になるのを防ぐ方法を具体的に見ていきましょう。
毎日のブラッシングを徹底する
虫歯予防の基本は、やはり毎日の歯磨きです。特にお子さまが小さい場合、自分一人で歯をきれいに磨くことは難しいため、保護者による仕上げ磨きが欠かせません。自分で歯を磨けるようになるまでは、保護者の方が毎日見てあげましょう。
歯ブラシは子どもの口に合ったサイズのものを選び、優しく丁寧に磨いてあげることがポイントです。最低でも1日2回、特に就寝前の歯磨きは徹底するようにしましょう。
通常の歯ブラシが届きにくい場所をケアするために、デンタルフロスやキシリトール入りのタブレットなどの補助用品を活用するのも効果的です。特に、歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい子どもには、デンタルフロスの使用が推奨されます。
お子さまに合わせた磨き方や補助用品の使い方を歯科医院で指導してもらうと、より効果的なケアができるようになります。
定期的に歯科受診とフッ素塗布を受ける
定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の兆候を早期に発見したりクリーニングやフッ素塗布などの予防措置を受けたりできます。フッ素塗布を行うことで歯の表面を強化し、虫歯になりにくい環境を整えられます。
また、乳歯の時期から歯科医院に慣れ親しんでおくことは、子ども自身の健康意識を高めるうえでも非常に重要です。
食生活やおやつを見直す
糖分の多いお菓子やジュースを頻繁に摂取する習慣は、虫歯のリスクを高めます。おやつは時間を決めて与え、だらだら食べ続けないようにすることが大切です。
また、おやつの内容も果物やチーズなど、虫歯になりにくい食品を選ぶようにしましょう。ジュースの代わりに水やお茶を与えることも効果的です。
外出先や保育園など、食後すぐに歯磨きができない場面でも、口をゆすぐだけで食べカスや糖分をある程度洗い流すことができます。食べた後は口をゆすぐというルールを習慣化することで、日常的な口腔ケアの意識が自然と身についていきます。
就寝前の飲食を避ける
就寝中は唾液の分泌が大幅に減るため、虫歯菌が活発になります。そのため、寝る前に飲食をすると、糖分が口腔内に残り、虫歯のリスクが一気に高まります。寝る直前には水やお茶以外のものを口にしない、歯磨きを済ませた後は何も食べないようにすることが大切です。
まとめ

乳歯は生え変わるとはいえ、永久歯の健康に深く関わっているため、虫歯を放置することは推奨できません。乳歯にできた虫歯をそのまま放置していると、永久歯の生え方や質にまで悪影響が及ぶことがあります。
毎日の丁寧な歯磨きと保護者による仕上げ磨き、おやつの見直し、定期的な歯科受診やフッ素塗布など、できることは多岐にわたります。子どもの口腔ケアは、将来の健康投資ともいえる、大切な取り組みです。
そのうち生え変わるからと油断せず、乳歯の段階からしっかりとした予防習慣を身につけることが、健やかな永久歯への第一歩になります。小さな努力の積み重ねが、大きな結果をもたらすことを忘れないようにしましょう。
乳歯の虫歯の治療を検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。
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