セラミックの歯は歯ぎしりに弱い?長持ちさせるための対策も


こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

セラミックの歯のイメージ

セラミックの歯は白く美しい見た目と高い耐久性から、近年多くの人に選ばれています。

しかし、そんなセラミックの歯でも、歯ぎしりに弱いのではと不安を抱える方は少なくありません。特に、寝ている間に無意識に歯ぎしりをする癖のある方は、せっかく高額な費用をかけて治療したセラミックが壊れないか、心配に思うでしょう。

この記事では、歯ぎしりの基本的なメカニズムから、セラミックの歯が歯ぎしりによってどのような影響を受けるのかまで解説します。さらに、セラミックの歯を長持ちさせるために有効な対策も紹介します。

歯ぎしりとは

睡眠中に歯ぎしりをする女性

歯ぎしりとは、上下の歯を無意識に強く噛みしめたりこすり合わせたりする癖のことで、医学的にはブラキシズムと呼ばれます。睡眠中に起こることが多いため、本人が自覚していないケースも少なくありません。

家族からの指摘や、朝起きたときに顎がだるい、歯がすり減っているなどの症状から気づくことが多いです。

歯ぎしりにはいくつかの種類があり、歯をギリギリとすり合わせるグラインディング、強く食いしばるクレンチング、歯をカチカチと鳴らすタッピングなどがあります。中でもグラインディングは歯へのダメージが大きく、歯の摩耗や破折、詰め物・被せ物の破損などの原因になります。

歯ぎしりの原因は一つだけとは限らず、ストレスや噛み合わせの不良、遺伝、生活習慣などが複雑に絡み合っています。特に、ストレスとの関連は深く、現代社会では年齢や性別を問わず多くの人が何らかの形で歯ぎしりをしているといわれています。

また、睡眠の質の低下や自律神経の乱れも歯ぎしりを助長する要因とされています。

一見、無害に思える歯ぎしりですが、放置すると歯やあご、さらには全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。そのため、早期に気づき、適切な対策を講じることが大切です。

セラミックの歯は歯ぎしりに弱い?

セラミックの歯は歯ぎしりに弱いか考えるイメージ

セラミックは、天然の歯に近い美しい見た目と、高い耐久性を兼ね備えた優れた歯科素材として広く使われています。金属アレルギーの心配もなく、経年による変色もしにくいため、審美歯科治療において非常に人気があります。

しかし、そんなセラミックでも「歯ぎしりには弱いのでは?」という疑問を持つ方は少なくありません。結論から言えば、セラミックは素材としては非常に硬く丈夫ですが、過度な力が加わると割れることがあります。

特に、歯ぎしりのように継続的かつ強い力が繰り返し加わると、セラミックが欠けたり破折したりする可能性があるのです。

これには、セラミックのしなやかさの欠如が関係しています。天然歯はある程度の弾性をもって力を吸収しますが、セラミックは硬い反面、衝撃を吸収しにくいため、急激な力やすり合わせによる摩耗に弱いのです。

また、歯ぎしりの力は思っている以上に強く、時には体重の2〜3倍に達することもあります。この力が毎晩のようにセラミックの歯に加わるとなれば、長期的に見てダメージを避けるのは困難です。

適切に設計・装着されたセラミックの歯であれば、通常の使用においては十分に長持ちします。歯ぎしりを自覚している方、あるいは医師から指摘されたことがある方は、トラブルにならないようにするためにも、あらかじめ治療の段階で対策を講じるようにしましょう。

歯ぎしりが原因で起こるトラブル

歯ぎしりでセラミックの歯が破損するイメージ

歯ぎしりは無意識のうちに行われるため、症状が進行するまで自覚されにくいのが特徴です。

しかし、その影響は多岐にわたり、放置しておくと口腔内の健康だけではなく、体全体に悪影響を及ぼす可能性もあります。特に、セラミックの歯を入れている方にとっては、歯ぎしりによる負荷が直接的な破損や不具合につながるリスクが高いため、注意が必要です。

ここでは、歯ぎしりによって起こりやすい主なトラブルについて解説します。すでにセラミック治療を受けている方も、治療を検討している方も、自分の口腔環境を見直すきっかけにしてください。

セラミックや天然歯の破損

歯ぎしりによる最大の問題の一つが、歯の破損です。セラミックは天然歯よりも硬いため摩耗しにくい反面、強い衝撃には弱く、欠けたり割れたりするリスクがあります。特に、就寝中の無意識な歯ぎしりは力のコントロールができず、セラミックが損傷する可能性が高くなります。

同様に、天然歯もすり減ったりヒビが入ったりすることがあり、全体の噛み合わせバランスが崩れる原因にもなります。

顎関節症の悪化

歯ぎしりは顎の筋肉や関節に大きな負担をかけるため、顎関節症の発症や悪化の原因になります。特に、歯ぎしりによって片側だけで噛む癖がついたり過剰な筋緊張が継続したりすると、顎のズレや痛み、開口障害、頭痛といった症状を引き起こすことがあります。

セラミックの歯がきっかけで噛み合わせが変わり、さらに顎への負担が増すという悪循環に陥るケースもあるため、注意が必要です。

詰め物や被せ物の脱離

歯ぎしりは詰め物や被せ物にもダメージを与えます。セラミックのような強固な素材でも、接着部分に過度な力が加わると、接着剤が剥がれ、脱落することがあります。

長期間にわたって歯ぎしりが続くと、目に見えない隙間ができたり土台の歯が揺れたりすることで、最終的に補綴物の再治療が必要になる場合もあります。

セラミックの歯を歯ぎしりによる力から守るための対策

セラミックの歯を歯ぎしりによる力から守るナイトガードのイメージ

セラミックの歯は耐久性に優れていますが、歯ぎしりによって余計な力が加わると、破損や脱落といったトラブルが発生する可能性があります。特に、寝ている間に無意識で行われる歯ぎしりはコントロールが難しく、自覚していない人ほどダメージが蓄積しやすくなります。

そこで大切になるのが、セラミックの歯を長く健康に使い続けるための対策です。治療を後悔しないためにも、あらかじめリスクに備え、できることを実践することが重要です。

ここでは、歯ぎしりによるダメージを最小限に抑えるために有効な方法を紹介します。すでに歯ぎしりをしている方はもちろん、予防としても役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

ナイトガードの装着

最も一般的で効果的な対策が、ナイトガード(就寝用マウスピース)の装着です。就寝時に歯に装着することで、歯ぎしりによる摩擦や衝撃を和らげる働きがあります。特に、セラミック治療を行ったあとにマウスピースを使うことで、破損や脱落のリスクを大幅に軽減できます。

市販品もありますが、歯科医院で自分の歯型に合わせて作成してもらうほうが、より高い効果が期待できます。

ストレスのコントロール

歯ぎしりの主な原因の一つにストレスがあります。仕事や家庭など、日常生活での緊張や不安が、無意識に歯ぎしりとして現れることがあります。

そのため、リラクゼーションや趣味の時間を増やす、規則正しい生活を送る、睡眠の質を上げるなど、ストレスを軽減する生活習慣を心がけることが重要です。心身のバランスを整えることは、口腔内の健康にも大きく影響します。

噛み合わせの調整

歯ぎしりの背景には、噛み合わせの不良が関係していることもあります。セラミックの歯を装着した後は噛み合わせのバランスがわずかに変化することがあり、そのまま放置すると特定の歯に過剰な力がかかる場合があります。

治療後には必ず咬合調整を行い、必要であれば定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。微調整によって、セラミックの寿命を大きく伸ばすことが可能です。

定期検診の受診

セラミック治療を終えた後も、半年から1年に一度は定期検診を受けることが推奨されます。歯ぎしりの兆候は、患者さま自身が気づかないうちに進行していることが多く、歯科医師による観察が必要です。

早期発見と早期対応ができれば、セラミックを含むすべての歯の健康を長期間維持することができます。

まとめ

歯ぎしりからセラミックの歯を守って笑顔の女性

セラミックの歯は、美しさと機能性を兼ね備えた優れた歯科素材ですが、歯ぎしりの影響を受けやすいという弱点もあります。無意識のうちに歯に大きな力が加わることで、セラミックが欠けたり割れたりするリスクが高まるため、歯ぎしりへの対策は非常に重要です。

セラミックの歯を長持ちさせるためにも、ナイトガードの使用やストレス管理、噛み合わせの調整、定期検診の受診など、できることから実践しましょう。歯ぎしりと上手に付き合いながら、セラミックの歯を正しくケアしていきましょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。

当院では、一般歯科や予防歯科、矯正治療、ホワイトニング、マタニティー歯科など、さまざまな分野に力を入れています。ホームページはこちらご予約・お問い合わせもお待ちしております。