インプラント治療中に歯がない期間はある?対応法を解説!


こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

インプラント治療の説明

インプラント治療は、開始してから終了するまでに長い期間がかかります。治療が完了するまでに、歯がない期間があるのか心配に思う方は少なくありません。

「歯がない期間はどうやって過ごせばいい?」「仮歯はつけないの?」など、疑問に思う方も多いでしょう。

今回は、インプラント治療中に歯がない期間があるのかどうか解説します。対応法もご紹介するので、インプラント治療を検討中の方はぜひ最後までお読みください。

インプラント治療の流れ

インプラント治療の流れイメージ

インプラント治療は、3か月〜1年の期間を要します。インプラント治療の主なステップは、以下のとおりです。

カウンセリング

まずは、カウンセリングを行います。インプラント治療に関する詳しい情報や注意点などの説明を受け、インプラント治療を受けるかどうか決定しましょう。

特に全身疾患がある場合は、インプラント治療の際に細心の注意が必要なこともあるため、主治医と連携して進めることが多いです。

精密検査

カウンセリングの結果、インプラント治療を受けると決定した場合は精密検査を行います。精密検査では、歯を支えている歯槽骨の厚さや骨密度、神経が通っている管の位置など、正確な情報を収集します。

収集した情報をもとに、インプラント治療が可能かどうかを判断するのです。

手術前の処置

精密検査の結果、骨の厚みや骨密度が十分でないと判明した場合は、インプラント手術の前処置として骨造成を行います。骨造成は、顎の骨の量や厚みを増やすための処置です。

骨の状態がよくないままインプラント手術を実施すると、インプラントが定着しない、寿命が短くなるなどのトラブルにつながるため、手術前の処置は非常に重要です。

骨の状態が良好な場合は、骨造成は必要ありません。

また、虫歯や歯周病が見つかった場合も、インプラント手術の前に治療します。虫歯や歯周病があるということは、口腔内の環境が悪いということです。

放置してインプラント手術をすると、インプラントが脱落するなどのトラブルにつながるため、骨造成と同様に先に治療を行います。

インプラント手術(1回目)

1回目のインプラント手術を実施します。インプラント体とよばれる人工歯根を、歯槽骨に埋め込む手術です。

インプラント体は、インプラント全体を支える土台となる重要なパーツです。局所麻酔をして、歯茎を切開し骨に穴をあけます。あけた穴にインプラント体を埋め込み、歯茎を縫合したら終了です。

インプラント体を埋め込んだあとは、顎の骨と結合するまで待たなければなりません。結合するまでの期間は2〜6か月程度で、その期間は歯がない期間といえます。

ただし、顎の骨とインプラント体が結合するまでの期間は、仮歯を装着するのが一般的です。傷口の保護、審美性の改善などを目的に仮歯を使用します。

そのため、完全に歯がない期間は長くはありません。

インプラント手術(2回目)

インプラント体が歯槽骨と結合したら、インプラント体と上部構造(人工歯)を連結するためのアバットメントを装着する手術を行います。局所麻酔後に再び歯茎を切開し、アバットメントを装着します。

手術後は、歯茎の傷口の状態が安定するまで待つので、歯がない期間といえるでしょう。1回目の手術後と同様に、仮歯を装着するのが一般的です。

型取り

歯茎の状態が安定したら、インプラントの上部構造の型取りを行います。型取りと同時に、上部構造の種類を決めるでしょう。

歯科医師と相談し、インプラントの位置や求める審美性、予算などを考えて決定してください。型取り後、上部構造が完成するまでの間も歯がない期間です。

装着

インプラントの上部構造が完成したら、装着します。噛み合わせを確認するために、一度仮止めをして様子をみることもあります。

上部構造を装着すれば、インプラント治療は終了です。

メンテナンス

インプラント治療後は、定期的にメンテナンスを受ける必要があります。インプラントや残っている天然歯の状態を確認し、必要に応じて調整・治療することで、インプラントを長く使い続けられるでしょう。

インプラント治療中に歯がない期間はある?

インプラント治療中に歯がない期間があるか疑問の女性

インプラント治療の流れからもわかるとおり、インプラント治療中には歯がない期間があります。具体的には、以下の時期は歯がありません。

・骨造成の過程
・1回目のインプラント手術のあと(インプラント体が定着するまでの期間)
・2回目のインプラント手術のあと(歯茎の状態が安定し型取りをするまでの期間)
・型取りから上部構造ができるまでの期間

インプラント治療を開始すれば、すぐに審美性の高い上部構造を装着できると考えていた場合、残念に思うかもしれません。

ただし、上述しましたが手術後などは基本的に仮歯を装着します。審美性・機能性に優れたものではありませんが、歯を失ったスペースが目立つことはないでしょう。

歯がない期間はどれくらい?

歯がない期間のイメージ

インプラント治療中に歯がない期間は、2〜6か月程度です。なかでも最も長いのは、1回目の手術と2回目の手術の間、インプラント体が顎の骨に定着するのを待つ期間でしょう。

定着するまでの期間や術後の経過には個人差があるので、歯がない期間も患者さまによって異なります。また、骨造成が必要な場合はさらに歯のない期間が長くなるでしょう。

歯がない期間の対応

インプラントの治療

歯がない期間は、仮歯や仮入れ歯を作って対応します。基本的には1回目のインプラント治療後に仮歯を入れますが、具体的なタイミングは術後の状態を考慮して歯科医師が判断します。

仮歯や仮入れ歯を使用するメリットは、以下のとおりです。

審美性を保てる

仮歯や仮入れ歯を使用すれば、審美性を保てます。仮のものなので審美性は高くありませんが、歯がない状態とある状態では人に与える印象が大きく異なります。

仮歯があれば、会話や食事の際に気になることはないでしょう。「接客業なので歯がないと困る」「歯がないことを周囲に知られるのが恥ずかしい」と思っている方も、安心して治療できます。

歯並びや噛み合わせを保てる

仮歯や仮入れ歯を使用することで、歯並びや噛み合わせを保てます。インプラント治療は長期に及ぶため歯がない状態で放置すると、あいているスペースに隣の歯が動く、噛み合っていた歯が伸びるなど、歯並び・噛み合わせに悪影響を与える恐れがあるのです。

仮歯や仮入れ歯を使用することで、隣や上下の歯が動くことを防ぎ、歯並びや噛み合わせを維持できるでしょう。

発音への影響を軽減できる

仮歯や仮入れ歯を使用すると、発音のしにくさを解消できます。歯がなくなると、舌の使い方や空気の抜け方が変わるため、本来の発音がしづらくなります。

特に、上の前歯がないとサ行・タ行などが発音しにくいと感じるでしょう。発音しにくいと会話をするときにストレスを感じるので、仮歯や仮入れ歯で解消します。

傷口を保護できる

仮歯や仮入れ歯は、傷口を保護する役割も果たします。食事中や会話中だけでなく、知らない間に傷口に刺激を与えることがあるでしょう。

仮歯や仮入れ歯で傷口を覆うことで、傷口を保護して治癒を促進します。

歯がない期間に注意すること

歯がない期間の注意点イメージ

上述したとおり、仮歯や仮入れ歯を使用することで、歯がない期間の審美性や機能性を保てます。

しかし、仮歯や仮入れ歯はあくまで「仮のもの」です。仮歯や仮入れ歯は、耐久性や強度が高くありません。

また、上部構造を装着する際に外すので、あまり接着力が高くない接着剤を使用して装着します。そのため、適切に使用しないと外れることがあるでしょう。

本項目では、歯がない期間に注意することを解説します。

硬いものを食べない

仮歯や仮入れ歯を使用している期間は、硬いものを食べないようにしましょう。仮歯は歯科用のプラスチックで作られており、耐久性がありません。

ふだんどおりに食事をしているだけでも、割れることがあります。特に、せんべいやナッツ類、硬い肉などをふだんどおりに食べると、割れるリスクが高いでしょう。

仮歯が割れると、修理や作り直しが必要になります。割れたときに口腔内を傷つけるリスクも否定できません。

硬い食べ物は、治療後にインプラントが安定してから楽しみましょう。

粘着性のあるものを食べない

仮歯を使用している場合は、粘着性のある食べ物も避けてください。接着剤は、あえて強度が低いものを使用しています。上部構造を装着する際に、すぐに外せるようにするためです。

そのため、キャラメルやガムなど粘着性のあるものを食べると、仮歯が取れる可能性があります。硬いものと同様、粘着性のあるものは、インプラント治療が終了してから楽しんでください。

清潔に保つ

インプラント治療中は、仮歯周辺はもちろん口腔内を清潔に保ちましょう。特に、仮歯は実際に入れるインプラントの上部構造とは異なり、表面がざらざらしており、歯と歯茎の境目にもすき間が生まれやすいです。

そのため、汚れが付着しやすいのです。汚れが付着した状態で放置すると、細菌が繁殖して傷口に影響を与えるリスクがあるでしょう。

仮歯や傷口に負担をかけないように、適度な力でしっかりと磨いてください。正しい磨き方は、歯科医師や歯科衛生士から指導を受けられます。

まとめ

インプラント治療をした女性

インプラントの治療期間は3か月〜1年に及び、歯がない期間も存在します。

しかし、歯がない期間は仮歯や仮入れ歯を使用して対応するので、審美性や機能性の心配は必要ないでしょう。実際に入れるインプラントの上部構造とは異なるので、硬いものや粘着性のあるものを食べない、清潔に保つなどの注意点を理解して使用しましょう。

仮歯や仮入れ歯を正しく利用できれば、インプラント治療中の歯がない期間もストレスなく日常生活を送れます。

インプラント治療を検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。