インプラントの被せ物にはどのような種類があるのか解説!


こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

インプラントの被せ物のイメージ

失った歯を補う治療法の一つにインプラントがあります。白くてきれいな歯になるので、インプラントを希望する方は少なくありません。

インプラントの被せ物にはいくつか種類があり、それぞれ見た目や強度が異なります。インプラントの被せ物を選択する際は、素材の特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。

本記事では、インプラントの被せ物の種類や被せ物を選ぶときのポイントについて解説します。被せ物を長く使い続ける方法もご紹介しますので、インプラント治療を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。

インプラントの被せ物とはどの部分?

インプラントの構造イメージ

インプラントの被せ物とは、歯茎の上から出ている人工歯のことです。

インプラントは、歯茎に埋め込む人工歯根(インプラント体)と歯茎の上から出ている被せ物(上部構造)、インプラント体と上部構造をつなぐ支台(アバットメント)の3つの部品で構成されています。

インプラントの被せ物の素材によって特徴や値段は異なるため、比較したうえで選択することが重要です。

インプラントの被せ物の種類

インビザラインの被せ物の種類のイメージ

インプラントの被せ物には、いくつか種類があります。

種類によって特徴が異なりますので、被せ物を選ぶ前にそれぞれの違いを理解しましょう。

オールセラミック

オールセラミックとは、100%セラミック素材(陶器)で作られた被せ物です。

オールセラミックの特徴と費用を、下記にまとめました。

<オールセラミックの特徴と費用>

素材 100%セラミック素材を使用
メリット ・天然歯と見分けがつかない見た目になる
・ツヤや光沢がある
・変色しにくい
・金属アレルギーの心配がない
デメリット 衝撃で破損することがある
費用 7万〜17万円程度

オールセラミックは見た目に優れており、陶器といっても十分な強度を備えています。

しかし、他の被せ物に比べると強度が低いです。物が当たったり、硬いものを噛んだりした衝撃で破損する可能性も否定できません。

オールジルコニア

オールジルコニアとは、100%ジルコニア素材で作られた被せ物です。ジルコニアはセラミックの一種で非常に硬く、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。

オールジルコニアの特徴と費用を、下記にまとめました。

<オールジルコニアの特徴と費用>

素材 100%ジルコニア素材を使用
メリット ・審美性が高い
・光沢がある
・変色しにくい
・金属アレルギーの心配がない
・非常に強度が高く、衝撃に強い
デメリット ・オールセラミックに比べて審美性が劣る
・天然歯より硬いので噛み合わせの歯がすり減るリスクがある
費用 10万〜16万円程度

オールセラミックに比べると劣りますが、オールジルコニアも審美性に優れています。また、非常に強度が高く、衝撃に強いという特徴があります。

とはいえ、天然歯よりも硬いので、噛み合わせが悪いと噛み合わせの歯がすり減るリスクがあります。毎回の定期検診で、噛み合わせが合っているか確認する必要があるでしょう。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックとは、セラミック素材とレジン(歯科用のプラスチック素材)を混ぜて作られた被せ物です。レジンが混ざっているため、他の素材よりも安いのが特徴です。

ハイブリッドセラミックの特徴と費用を、下記にまとめました。

<ハイブリッドセラミックの特徴と費用>

素材 セラミック素材とレジンを使用
メリット ・白くて光沢がある
・金属アレルギーの心配がない
・他の素材に比べて安い
デメリット ・変色しやすい
・他の素材に比べて審美性に劣る
・強度が低い
費用 4万〜12万円程度

ハイブリッドセラミックは、はじめは白くて光沢があります。

しかし、変色することがあるため、周囲の歯と色の差が出る可能性も少なくありません。また、他の素材に比べて強度が低いため、破損するリスクもあるでしょう。

とはいえ、安い値段で作れるので、できるだけ費用を抑えたい方に選ばれることが多いです。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックとは、ジルコニアにセラミックを焼き付けて作られた被せ物です。内側に強度が高いジルコニアを使い、外側に審美性に優れたセラミックを使うことで、それぞれの素材のメリットを活かしています。

ジルコニアセラミックの特徴と費用を、下記にまとめました。

<ジルコニアセラミックの特徴と費用>

素材 内側にジルコニア、外側にセラミックを使用
メリット ・審美性が高い
・強度が高い
・白くて光沢がある
・金属アレルギーの心配がない
デメリット 他の素材に比べて高額
費用 10万〜20万円程度

ジルコニアセラミックは審美性と強度に優れていますが、他の素材に比べて高額です。

メタルボンド

メタルボンドとは、金属にセラミックを焼き付けて作られた被せ物です。内側は金属、外側はセラミックでできています。

メタルボンドの特徴と費用を、下記にまとめました。

<メタルボンドの特徴と費用>

素材 内側に金属、外側にセラミックを使用
メリット 強度が高い
デメリット ・透明感がなく審美性に劣る
・歯茎が黒くなることがある
・金属アレルギーの心配がある
費用 7万〜10万円程度

メタルボンドは、セラミックの強度が十分でなかったときに頻繁に使われていた素材です。内側に金属を使用するため強度が高いです。

しかし、時間の経過とともに金属が劣化し、金属イオンが溶け出すことがあります。そのため、歯茎が黒くなったり、金属アレルギーの症状が出たりするリスクがあるでしょう。

インプラントの被せ物を選ぶときのポイント

インプラントの被せ物を選ぶ際のポイントのイメージ

インプラントの被せ物には多くの種類があるため、どれを選んだら良いか悩む方もいるでしょう。

インプラントの被せ物を選ぶときは、見た目・強度・費用の3つのポイントを押さえることが大切です。また、自分が何を重視したいのか、またどこの箇所を治療するのかを考慮して決定しましょう。

前歯は、口を開けたときに最も目立つ部分です。そのため前歯の被せ物を選ぶときは見た目を重視したいと考える方は少なくありません。前歯の被せ物には、オールセラミックやオールジルコニア、ハイブリッドセラミックなどが選ばれる傾向があります。

奥歯は、噛むときに力がかかる部分です。そのため、奥歯の被せ物を選ぶときは強度を重視する方が多いかもしれません。奥歯の被せ物には、オールセラミックやオールジルコニア、メタルボンド、ジルコニアセラミックなどが選ばれる傾向があります。

インプラントの被せ物を長く使い続ける方法

インプラントの定期検診をしている人

インプラントの平均寿命は10年〜15年程度ですが、20年以上問題なく使用している方もいらっしゃいます。では、インプラントの被せ物を長く使い続けるためには、どうしたらよいのでしょうか。

本項目では、インプラントの被せ物を長く使うための方法を解説します。

定期検診を受ける

インプラント治療後は、定期検診を受けましょう。定期検診では歯茎の状態や噛み合わせに問題はないか、インプラントが破損していないかなどを確認します。

定期検診を受けていれば、インプラント周囲炎を発症していたり、噛み合わせに問題が起こっていたりしても早期に発見・対処でき、インプラントを失ったり周囲の歯に影響を与えたりするのを防げるでしょう。

また、インプラントには被せ物が破損したり、インプラント体が脱落したりしたときのために保証が設けられている場合が多いです。

しかし、インプラント治療後に定期検診を受けていないと保証を受けられない場合があります。万が一、インプラントに不具合があったときに対応してもらうためにも定期検診は重要なのです。

ナイトガードの使用を検討する

食いしばりや歯ぎしりによってインプラントの被せ物が破損する可能性があります。

食いしばりや歯ぎしりなどでインプラントの被せ物に負荷がかかる場合は、ナイトガードの使用を検討するとよいでしょう。ナイトガードとは、就寝時に装着するマウスピース型の装置です。

ナイトガードを装着することで、食いしばりや歯ぎしりによって歯に加わる力が分散されます。一定の箇所に過度の力がかかりにくくなるため、インプラントの被せ物の破損を防げるでしょう。

ナイトガードの作成・装着に関しては、歯科医師と相談して決めてください。

口腔ケアをしっかり行う

定期検診はもちろん重要ですが、毎日の口腔ケアも欠かさずに行いましょう。歯ブラシを小刻みに動かして歯に付着したプラークや食べ残しを落とします。

歯と歯の間やインプラントと歯茎の境目に付着した汚れは歯ブラシだけでは落としにくいです。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って細かい箇所の汚れも落としましょう。歯ブラシの毛先が届きにくい箇所は、タフトブラシを使うと効果的です。

インプラントの被せ物は人工物のため虫歯になりませんが、ケアを怠るとインプラント周囲炎になる可能性があります。インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織が炎症を起こす病気です。進行すると、顎の骨が溶けて最終的にはインプラントが抜け落ちることがあります。

インプラントを失うのを防ぐためにも、しっかりとケアを行うことが重要です。歯科医院でブラッシング指導を受け、自分に合った歯磨きの方法を身につけましょう。

まとめ

インプラントで綺麗な歯を手に入れた人

今回は、インプラントの被せ物の種類やそれぞれの特徴について解説しました。

インプラントの被せ物にはオールセラミックやオールジルコニア、メタルボンドなど、いくつか種類があります。それぞれに特徴があり、費用も異なるため、比較したうえでご自身に合ったものを選択しましょう。

インプラントの被せ物を選ぶ際は、見た目・強度・費用など、何を重視したいのか考えて決定してください。どの素材を選択すべきか悩む場合は、歯科医師に遠慮なく相談しましょう。

インプラントを検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。