前回はお子さんの歯磨き中の事故についてお話ししました。
事故のほとんどは、自分磨きの最中に歩き回っているときに起こっているとお話ししました。
事故を防ぐために歩き回らないようお子さんにお話しすることはもちろんですが、それ以外にも事故を防ぐためにできることがあります。
本日は「歯磨き中の事故を防ぐためにできること」についてお話ししたいと思います。
歯磨きを行う環境から
- ・保護者の方による見守りは必ず行いましょう。
電話がかかってきたなど、その場を離れなくてはいけないときもあります。
そのようなときは、歯ブラシをいったん預かるようにしましょう。
待っている間に歩き回り転んでしまう、ということもありえます。
- ・必ず座って行いましょう
乳幼児は座っているほうが姿勢は安定します。
また、事故の件数も座っているほうが少なくなります。
万が一倒れてしまっても、立っている状態から倒れると、座っている状態から倒れるより2倍のダメージと言われています。
座る場所は椅子に座るようにしましょう。
しかし、実際は、立ったままだったり、ソファーに座っていたりする子が多いようです。
- ・歯磨きが終わったときも預かりましょう
うがいのために移動するときはお口から歯磨きを取り出して、机に置いたり保護者の方が持ったりしましょう。
台に登ったりするときに転倒、ということもあるため、最後まで注意が必要です。
歯磨きを行う道具から
子供用歯ブラシで喉突き防止対策が施された歯ブラシがあるのをご存知ですか?
持ち手にカバーがつけてあるものや、ネック(ブラシと把持部をつないでいる場所)が曲がる歯ブラシです。
3歳前半までの事故が多い時期は子供の自分磨きにはこのような安全対策が施されたものを使われるとよいと思います。
カバー付きタイプのものでは、転倒時にカバーが外れたり、ズレたりしてしまうとの報告も上がっているため、ご注意ください。
ネックが曲がるタイプのものは、力がかかると横方向に曲がって力を逃がしてくれます。
歯磨き時の磨きにくさをあまり感じないように、縦方向には曲がりにくくできています。
守っていただきたいこと
・歯磨き中の見守りは必須
・安全対策の施された歯ブラシを使用
・その場を離れるときは歯ブラシを子供に持たせない
・必ず座らせる(歯ブラシをもって歩く、走るはNG)
・歯磨き中に兄弟とぶつからないようにする
・うがいのときも歯ブラシを子供に持たせない
万が一事故が起きてしまったら
歯ブラシが刺さっている、出血している、など明らかに大きなけがをしている場合は救急車をすぐに呼んでください。
事故の瞬間を見ていなくても、歯ブラシで怪我をしてしまったようなら、子供の様子がおかしくなくても速やかに病院に行きましょう。
またその際は、歯ブラシを忘れずに持っていきましょう。
まとめ
子供の事故の要因は「変えられないもの」「変えたいもの」「変えられるもの」に分類されるそうです。
歯ブラシの事故を考えたとき、今後の健全な口腔の育成のため、「自分磨きをする」ということは「変えられないもの」です。
しかし、自分磨き中の見守り、歯磨きをする場所、姿勢、道具など「変えられるもの」はいくつもあります。
変えられる要因を変えていくことで、歯磨き中の事故のリスクを減らし、安全な歯磨きを実践してもらえたらと思います。