インプラント治療のデメリットとは?メリットについても詳しく解説!


こんにちは。東京都世田谷区北沢にある、医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。

インプラントの模型とそれを奥の方からみている患者

インプラントは、しっかり噛めて見た目が美しいというメリットがあるものの、治療費が高い、治療期間が長いなどのデメリットもあります。インプラント治療を始める前に、デメリットや注意点を理解することは重要です。

本記事では、インプラント治療におけるデメリットと注意点を解説します。インプラント治療に向かない方についても解説しているので、インプラント治療を検討中の方はぜひ参考にしてください。

インプラント治療とは

インプラントをあらわすイメージ図

インプラント治療とは、歯を失ったところにインプラント体という人工歯根を埋めこむことで、歯をおぎなう治療法のことです。

インプラントは、歯の根の代わりとなるインプラント体、歯の部分になる人工歯、2つをつなぐアバットメントの3つからできています。インプラント体を顎の骨に直接埋め込むことでしっかり噛めるようになり、自然で美しい見た目を再現できます。

インプラント治療のデメリット

デメリットをあらわすイメージ図

インプラント治療のデメリットは、以下のとおりです。

①費用が高額となる

インプラント治療は、自費診療なのでほかの歯科治療に比べると高額です。お口の状態によって異なりますが、インプラント1本あたりの費用は30~40万円程度です。

しかし、インプラント治療は医療費控除の対象になるため、還付金として一部の医療費が戻ってきます。お安くインプラント治療を受けたいなら、ぜひ利用しましょう。

②外科手術を伴うため体に負担がかかる

インプラント治療は、顎の骨にインプラントを埋めこむため、外科手術が必要です。

インプラント体の埋入にかかる手術時間は1時間程度ですが、少なからず体に負担がかかります。そのため、健康状態によっては治療が受けられないことがあります。

③治療期間が長くなる

インプラント治療は、インプラント体を埋入してから顎の骨とインプラント体がしっかり結合するまで時間がかかるため、治療期間が約6か月~1年と長いです。

顎の骨とインプラント体が結合するまでの時間は、下顎で2~3か月、上顎で3~6か月が目安となります。上顎のほうが時間がかかるのは、下顎よりも上顎は骨がうすいからです。

④術後の定期メンテナンスが必須となる

インプラント治療は、インプラント体を埋入して、人工歯をつけて終わりではありません。インプラント治療後は3~4か月に一度、歯科医院でインプラント部位のチェックとクリーニングなどのメンテナンスが必須です。

インプラントがしっかり定着しているか、嚙み合わせに問題がないかなどインプラント部位の状態確認だけでなく、全体のクリーニングや虫歯、歯周病のチェックも行います。定期的にお口の状態を確認することでインプラントを長持ちさせ、残った歯の健康を守ることにつながります。

インプラント治療のメリット

メリットをあらわすイメージ図

インプラント治療は、ほかの歯科治療に比べると治療費用や期間がかかりますが、多くのメリットもあります。インプラント治療のメリットは、以下のとおりです

①しっかり噛める

インプラント治療の最大のメリットは、しっかり噛めることです。顎の骨とインプラント体がしっかり結合したあとに人工歯を取りつけるので、硬いものをしっかり噛めるようになります。

「人工的なものを装着している」という違和感がなく、しゃべりにくさも感じないでしょう。

②見た目が美しくなる

インプラントの人工歯は、セラミックやジルコニアを使用することが多く、審美的に優れています。

保険適用の差し歯は、銀色部分が目立つ場合や黄色く変色する場合があり、見た目が美しいとはいえません。

しかし、自然な色調や透明感のあるセラミックやジルコニアを使うインプラント治療は、ご自身の歯のようなきれいで白い歯を作ることができます。

③丈夫で長持ちする

インプラント体は、体に馴染みやすいチタンという素材を使用しています。チタンは顎の骨にしっかり結合する特徴があり、強く噛んでも耐えられる強さがあります。

定期的なメンテナンスを行うことで、10年、15年とインプラントを長持ちさせられるでしょう。

④周りの歯への影響が少なくて済む

インプラント治療は、歯を失ったところだけインプラント体を埋入するので、周りの歯を削ることや周りの歯に負担をかけることはありません。1本ずつ独立した歯なので、ほかの歯と同じように歯ブラシするだけでよく、お手入れが簡単です。

⑤顎の骨がやせるのを防ぐ

歯を失うと、噛んだときの刺激が顎に伝わらないため、その部分の顎の骨は徐々にやせていきます。インプラント体を顎に埋め込むことで、しっかり噛めるようになるだけでなく、刺激が顎の骨に伝わり、顎の骨がやせるのを防ぐことができます。

インプラント治療を受ける際の注意点

警告をあらわすイメージ図

インプラント治療の注意点は、以下のとおりです。

①インプラント周囲炎の感染

インプラントは人工物なので虫歯になりませんが、インプラント周囲炎になるリスクがあります。インプラント周囲炎になると、歯茎が腫れる場合や出血する場合があるだけでなく、症状の進行によってはインプラント部位がぐらつき、最悪の場合抜け落ちることがあります。

インプラント治療が終わったら、毎日の歯磨きによるセルフケアにくわえ、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けましょう。

②インプラント体と顎の骨の不結合

インプラント治療は、インプラント体と顎の骨の結合状態が悪くなり、まれにインプラントが抜け落ちることがあります。

インプラントの抜け落ちは、毎日の歯磨きによるセルフケアやメンテナンスが大きく影響します。インプラントは一生ものではないため、必ず定期的にメンテナンスを受けましょう。

③神経の損傷や上顎洞の突き抜け

歯科医師の経験不足や不十分な検査でミスが起こることがあります。上顎の鼻の横に上顎洞という空洞があり、上顎洞にインプラント体を埋入することで、上顎洞炎を引き起こす可能性があります。また、下顎には、下歯槽管(かしそうかん)という大きな神経がとおっており、下歯槽管の近くにインプラント体を埋入することで、唇や顎の麻痺、味覚障害を引き起こすかもしれません。

上記のトラブルは、インプラント治療前に、CTなどで骨の厚みや量を精査することで避けられます。インプラント治療を受ける際は、CTなど設備が整っている歯科医院か、インプラント治療の経験が豊富な歯科医師かをしっかり確認しましょう。

インプラント治療に向かない方

両手でバツマークをしている

インプラント治療は、歯を失った方が受けられる治療ですが、全ての方が受けられるわけではありません。

インプラント治療に向かない方は、以下のとおりです。

①全身疾患がある方

インプラント治療は、外科手術をともなう治療なので、健康状態がよくない方は治療が受けられないことがあります。特に、以下の全身疾患がある方はインプラント治療に向きません。

・心臓病

・糖尿病

・高血圧

・骨粗鬆症

・肝臓疾患

上記の持病がある場合、感染症のリスクが高いだけでなく、手術後に薬の影響で出血が止まりにくくなったり傷口の治りが遅くなったりする場合があります。インプラント治療を希望する場合は、持病で通院している主治医と歯科医師の両方に相談しましょう。

②定期メンテナンスに通えない方

インプラントを長持ちさせるためには、毎日の歯磨きによるセルフケアにくわえ、定期的なメンテナンスが欠かせません。

インプラントの周りに汚れが溜まったままだと、インプラント周囲炎を引き起こし、インプラントがぐらつくことや抜け落ちることがあるかもしれません。特に、歯周病が原因で歯を失った方は、インプラント部位だけでなく周りの歯も歯周病になっていることが多いです。

残っている歯を守るために、インプラント治療後の定期メンテナンスは必須です。

③喫煙習慣がある方

インプラント治療において、喫煙習慣があることは大きなリスクです。喫煙による歯茎の血行不良で、術後の治りが遅くなる場合やインプラント体と顎の骨の結合を阻害する場合があるためです。また、免疫力低下によってインプラント周囲炎になりやすく、インプラント治療を受けるなら禁煙はさけられません。

禁煙が難しい方は、禁煙治療を医師にご相談するとよいでしょう。

④顎の骨が少ない方

重度の歯周病で顎の骨が吸収された方や、歯を失ってから時間が経ったことで顎の骨が減少した方は、インプラント治療に向きません。

インプラント治療は、顎の骨にインプラント体を埋めこむ治療なので、土台となる顎の骨の厚みや量が少ないとインプラント治療が受けられない場合があります。骨の量を増やす骨造成や骨移植などを行えばインプラント治療が可能になる場合がありますが、外科手術をともなうため体に負担がかかります。

顎の骨が少ない方は、インプラント以外の治療も視野に入れましょう。

インプラント治療の代替方法

入れ歯と歯鏡がうつっている

インプラント以外の治療法は、保険適用で治療できるブリッジと入れ歯があります。

ブリッジは、失った歯の両隣を削り、3本つながった被せ物をつける治療のことです。固定式なのでしっかり噛めるものの、両隣の健康な歯を削らないといけないのがデメリットです。また、2本の歯で3本分の歯を支えるので、残っている歯に負担がかかり、歯を削ることで虫歯や歯周病のリスクが高くなります。そのため、残っている歯を削りたくない方や負担をかけたくない方には、ブリッジは向かないでしょう。

入れ歯は、歯を失った部分の型をとり、取り外し式の歯を入れる治療のことです。残っている歯や顎の状態に左右されず、ほかの治療に比べて治療費がおさえられるのがメリットですが、入れ歯で噛む力はご自身の歯で噛む力の3分の1程度のため、しっかり噛むことが難しくなります。さらに、異物感が強く、しゃべりにくさや気持ち悪さがあり、食事の際に痛みをともなうこともあるでしょう。部分入れ歯の場合、隣の歯にばねをひっかけて固定するため、金属部分が目立つことや隣の歯に負担がかかることがあります。

まとめ

ポイントを指さす男性

インプラント治療は、歯を失ったところにインプラント体を埋め込み、歯をおぎなう治療法です。外科手術をともなうため、体に負担がかかるだけでなく、ほかの歯科治療に比べると高額で、治療期間が長くなるデメリットがあります。また、インプラント治療後は、インプラント周囲炎のリスクがあるため、定期的なメンテナンスが必須です。

しかし、インプラント治療は、ご自身の歯のように見た目が美しいうえにしっかり噛むことができ、残っている歯への負担が少なくて済むというメリットもあります。歯を失った際の治療は、インプラントだけでなくブリッジや入れ歯などもありますが、それぞれメリットやデメリットを理解したうえで治療法を検討しましょう。

インプラントを検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある、医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。