生後半年頃、初めての歯が生えてきます。
その歯は6年程度と短い期間で役目を果たします。
本日は短い期間しか見る事ができない「子供の歯(乳歯)について」お話したいと思います。
目次
子供の歯の役割
子供の歯は「乳歯」と呼び、全部で20本あります。
乳歯には噛むこと以外にも役割があります。
①発音が上手になる
乳歯がはえてくることで舌を正しい位置に置くことができるようになります。
舌の動かし方も上手になることで発音の成長につながります。
②永久歯の生え変わりの誘導
生え変わり時期になると乳歯の根は吸収され短くなります。
抜けることで、永久歯が生えやすくなるよう誘導してくれます。
③顎の発達・成長
歯が生えることで様々なものを食べることが出来るようになるということは、成長に必要な栄養分をとることが出来るようになります。
また、お食事で歯を使うことも顎の骨の成長につながります。
顎の成長が不十分だと、歯並びにも影響します。
永久歯と違うところ
①未熟な歯
子供の間は体の様々な部分が未熟です。
歯も同様、未熟で、脆く弱い存在です。
歯の外側を覆い刺激から守っている一番硬い層のエナメル質やその内側の象牙質も永久歯に比べると柔らかく、さらに厚さも永久歯の半分しかありません。
また、歯を溶かす酸にも弱いため、虫歯になりやすいです。
歯髄のお部屋はおおきいこともあり、虫歯が短期間で神経のお部屋に到達してしまうことも多いです。
②色
永久歯は黄色っぽいのに対し、乳歯は青白色をしています。
生え変わり期で初めて永久歯が出てきたとき、黄色い歯に驚く方もいらっしゃいます。
③形
永久歯に比べると縦の長さに対して幅が広くなります。
幅広と言っても、前歯は永久歯の方が大きくなります。
乳歯の歯並びには隙間が空いています。
また、生え変わり期に合わせて顎が成長していくため、小さい乳歯から大きな永久歯への生え変わりの際、綺麗に並ぶことができます。
近頃は乳歯列期の空隙が確保できないことが増えてきています。
歯の溝が深いため、溝からの虫歯も注意が必要です。
溝が深い場合は溝を埋めて虫歯のリスクを下げることもあります。
生え変わりの仕組み
乳歯の根元では永久歯が育ちます。
永久歯の成長と共に乳歯の根は吸収され短くなります。
吸収され根がなくなると乳歯は抜け落ち、永久歯が生えてきます。
交換してすぐの永久歯は幼若永久歯と呼びます。
この時期の永久歯は歯質が弱く酸への抵抗性も弱いため、虫歯になりやすいため、注意が必要です。
歯磨きによるケアや、定期的なフッ素の塗布など虫歯にならないよう気を付けましょう。
まとめ
成長が未発達な幼児の口に大きな永久歯は生える事ができません。
乳歯の役割の一つにお食事で成長するための栄養をとり、顎を使うことで顎の成長を促すということをお話しました。
つまり、乳歯は、永久歯が生えるスペースを作るために成長するうえでとても大事な歯です。
「虫歯になっても、抜けるから問題ない」とは思わず、永久歯と同じように大切にしましょう。