「魔のイヤイヤ期」という言葉、聞いたことがある方も多いかと思います。
「このくついや!」というので、靴を脱がせると「いや!ぬがせないで!」
なにをしても全てに「イヤイヤ」言われてしまうのがイヤイヤ期。
イヤイヤ期になると、歯ブラシも難しくなることがあります。
本日は「イヤイヤ期までの仕上げ磨きの目的」についてお話したいと思います。
乳歯について
乳歯は全部で20本生えてきます。
早いお子さんでは生後5ヶ月ごろに下の前歯から生え始めます。
こちらの表は平均的な乳歯の生え始めの年齢になります。
発達に個性、個人差があるのと同様、歯が生えてくる時期にも個人差はあります。
ここに記載されている月齢に当てはまらなくても過度に心配する必要はありません。
しかし、歯が生えてくるのを妨げる原因がある場合があるため、歯科医院で定期的に診てもらうことが大切です。
仕上げ磨きの目的
- ・お口を触られる抵抗をなくしていく
生まれたばかりの赤ちゃんには原始反射という、赤ちゃんに元々備わっている反応があります。
この原始反射は成長と共に消失していくものです。
その中の一つに舌挺出反射というものがあります。
これは異物が口に入らないよう、固形を口に入れようとすると舌で押し出していく反射です。
おおむね消失時期は4〜6ヶ月と言われていますが、これがいつまでも残っていると、食事や歯磨きの時に困ってしまいます。
お口へ様々な刺激が繰り返し加わることは、成長による原始反射の消失をサポートしています。
そこで歯が生える前から唇やほっぺなどお口周りのマッサージをし、いずれはじまる歯磨きへの抵抗を少しでも少なくしていきましょう。
しかし、歯が生えてからもしばらくは原始反射は見られると思います。
仕上げ磨きは、お口に触られる抵抗をなくすためのいい刺激になります。
- ・虫歯の予防
虫歯は4つ(歯質・糖分・虫歯菌(プラーク)・時間の経過)が揃うことで発症すると言われています。
歯の生えたてからイヤイヤ期までの間で気を付けていただきたいのは「糖分」つまり食生活です。
お菓子やジュースなどの摂取に気を付けていれば、虫歯のリスクは低いと考えられます。
また、「プラーク」を日々の口腔ケアで減らすこともとても重要です。
フッ素配合歯磨き粉を使用することは、虫歯の予防に効果があります。
歯が生えてからは1000ppm以下のフッ素歯磨き粉を使用しましょう。
ブクブクうがいができない間は、うがいの必要性のないジェルタイプもあります。
- ・唾液をたくさん出す
歯ブラシや手が口の中を触れると唾液がたくさん出てきます。
唾液にはたくさんの働きがありますが、その一つが虫歯予防になります。
まとめ
仕上げ磨きと聞くと、虫歯予防のために行うもの、と思われていた方も多いかと思います。
もちろんそれも間違いではありません。
お口の成長のサポートも担っているんです。
離乳食が始まると、スプーンを使って食べさせてあげると思います。
その時、スプーンを押し出すように舌が動き食事をとらない。
これが舌挺出反射です。
そのうち普通にお食事がとれるようになるのは、この反射がなくなるからです。
逆に言うとこの反射があるうちは離乳食の開始がまだ早いというサインです。
もう少し様子を見てみても良いかもしれません。