こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。
歯周病は、放置すると歯を失うこともある進行性の病気です。また、進行段階によって治療回数や費用が異なり、重症化すれば歯周外科治療が必要になることもあります。初期段階では自覚症状をあまり感じないことも多いため、放置して悪化させてしまう方が少なくありません。
しかし、なるべく症状が軽いうちに治療を開始することが望ましいでしょう。
本記事では、歯周病の症状や治療費用の目安、治療費を抑えるためにできることなどについて解説します。
目次
歯周病とは
歯周病とは、歯垢(プラーク)の中に含まれる歯周病菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患のことです。歯周病を発症すると歯ぐきに炎症が起こり、さらに進行すれば歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が破壊されていきます。
場合によっては、抜歯が必要になったり自然と歯が抜け落ちたりすることも考えられます。
歯周病は少しずつ進行する病気ですので、早期発見・早期治療が重要です。なお、歯垢は普段の歯磨きで取り除くことも可能です。
しかし、歯垢が唾液の成分と結びついて硬い歯石となった場合には、普段の歯磨きで取り除くことはできないため、歯科医院で除去する必要があります。
歯周病の進行段階
歯周病の症状は、進行段階によって異なります。健康な状態では、歯と歯ぐきの間にあるすき間(歯周ポケット)は1~2mm程度です。歯周病が進行するにつれて歯周ポケットが徐々に深くなっていきます。
健康な状態を踏まえて、歯周病ではどのような症状が出るのかを進行段階別に確認しましょう。
歯肉炎
プラークが蓄積した状態を放っておくと歯ぐきに炎症が起き、歯周ポケットが2~3mmとなります。この状態を歯肉炎といいます。
この段階では、歯ぐきが腫れたり歯磨きの際に出血したりすることがありますが、自覚症状を感じない方も多いです。
軽度歯周炎
歯肉炎の状態からさらに進行すると歯ぐきの炎症が悪化し、歯周病菌が歯周組織に侵入していきます。歯周ポケットの深さは3~5mm程度となり、歯槽骨や歯根膜まで破壊され始めます。
この状態になると、歯ぐきの赤みや腫れがさらにひどくなり、口臭が徐々に強くなることも特徴です。また、歯と歯ぐきの間にすき間ができるため、食べ物が詰まりやすくなることもあります。
中等度歯周炎
中等度の歯周炎まで進行すると、炎症はさらに広がり、歯槽骨の半分近くまで破壊されます。この段階での歯周ポケットの深さは、4~7mmです。
中等度の歯周炎では、歯ぐきの色が赤黒くなったり歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになったりするようになります。また、口臭はさらに強くなり、歯がグラグラして物が食べにくくなることもあります。
重度歯周炎
重度の歯周炎は、歯槽骨の半分以上が破壊された状態です。歯周ポケットの深さは、6mm以上となります。この段階まで進行すると、歯ぐきが大幅に下がり歯が大きくグラつくようになります。
また、食べ物を噛んだときに痛みを感じたり、歯と歯ぐきの間から膿が出たりすることも考えられるでしょう。このまま放っておくと、歯が自然に抜け落ちることもあります。
歯周病の治療は保険適用の対象となる?
歯周病の治療は基本的に保険適用の対象となりますが、詳しい費用は進行段階によって異なります。また、歯周病が進行すればするほど通院回数は多くなるため、治療にかかる費用が増加します。
保険適用の治療では1回で行うことができる内容に限りがありますが、通院回数を減らしたい場合や治療期間を短くしたい場合には、自費診療によって対応が可能です。
歯周病の治療費用目安[進行段階別]
ここでは、4つの段階ごとの治療費用の目安について解説します。
歯肉炎
歯肉炎の場合には、保険適用(3割負担)で3,000円~4,000円程度の費用がかかります。歯周病の中でも軽度の段階ですので、治療回数も少ない傾向にあります。
軽度歯周炎
軽度の歯周炎では、保険適用(3割負担)で5,000円~1万円程度の費用がかかります。歯ぐきの状態や歯石の量によっては複数回の通院が必要になることもあります。
自費診療の場合の費用の目安は、1万円~5万円程度です。
中等度歯周炎
中等度の歯周病になると、歯ぐきを切開して歯石を直接取り除く歯周外科治療が必要になることもあります。治療が複雑になるため費用も高くなる傾向にあります。
費用の目安は、保険適用(3割負担)で1万円~1万5,000円、自由診療の場合には5万円~50万円ほどかかることもあるでしょう。
重度歯周炎
重度の歯周炎では、破壊された歯周組織を再生する治療を行うこともあるため、費用が高額になります。治療にかかる費用の目安は、保険適用(3割負担)で1万5,000円~2万円です。
自由診療の場合には、20万円以上かかることが考えられるでしょう。
歯周病の治療費が高額になるケース
先にも述べた通り、中等度~重度の歯周病では、外科治療を行うケースがあります。この場合、複雑な処置が必要となるため費用も高額になります。
また、自費診療を選択する場合は保険適用の治療に比べて費用が高くなるでしょう。
歯周病の治療費を抑えるためにできること
「歯周病の治療にかかる費用をできるだけ抑えたい」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、治療費を抑えるためにできることについて解説します。
早期発見・早期治療
歯周病の治療を早い段階で開始すれば、通院回数も減るため費用が大幅に抑えられます。初期段階では自覚症状を感じないことも多いですが、日頃から歯ぐきの状態をよく観察し、少しでも違和感があれば歯科医院を受診することを心がけましょう。
特に、初期段階では歯ぐきに赤みが出たり歯磨きの際に出血したりすることがあります。そのような場合には、一度歯科医院でチェックを受けておきましょう。
保険が適用される治療を選択する
自由診療を選択すれば治療の自由度は高くなりますが、その分費用の負担が大きくなります。そのため、事前に治療にかかる費用を確認し、保険適用の治療を優先することも方法のひとつです。
予防を行う
日々のケアを怠れば、歯周病が進行したり再発したりすることが十分に考えられます。適切なケアを行って予防すれば、再治療にかかる費用を抑えることにつながるでしょう。
歯周病の原因となる歯垢は、歯と歯ぐきの間や歯と歯の間などの蓄積しやすいことが特徴です。丁寧なブラッシングはもちろんですが、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどを活用しましょう。
適切なケアの方法は、患者さまの口腔内の状態によっても異なります。歯科医院ではブラッシング指導も受けられますので、自分に合ったケアの方法が分からない方は、お気軽に歯科医院へご相談ください。
定期検診を受ける
歯周病は初期段階では自覚症状を感じないことも多く、症状を感じていても歯科医院を受診せずに様子をみる方も多くいらっしゃいます。
しかし、歯周病は進行性の病気ですので、放っておけば徐々に炎症範囲が広がっていきます。重症化すれば、治療にかかる回数や費用も増えるため定期検診を活用してクリーニングやブラッシング指導を受けることも大切です。
また、定期検診を受けることは歯周病の早期発見・早期治療にもつながります。
まとめ
歯周病は、歯垢に含まれる細菌によって引き起こされる炎症性の疾患です。一度歯周病を発症すれば徐々に進行するため、早期に治療を受けることが大切です。
しかし、初期段階では自覚症状を感じないことも多いため、放置して悪化させるケースもあります。また、歯ぐきの赤みや歯磨きの際の出血などがみられても「そのうち治るだろう」と放置する方も多いのです。
歯周病を放置すれば歯を支える骨が破壊され、治療にかかる回数や費用が高額になることも考えられます。治療開始が遅れれば遅れるほど患者さま自身にかかる負担も大きくなりますので、症状が軽いうちに対処することが望ましいでしょう。
歯周病の治療にかかる費用や治療内容について疑問や不安がある方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。
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