生え変わり期が始まると乳歯と永久歯がお口の中で混在することになります。
その期間を混合歯列期といいます。
今回は生え変わり期の虫歯になりやすく、注意が必要なポイントについてお話ししたいと思います。
6歳~9歳
6歳ごろから第一大臼歯(前から6番目の歯。乳歯のないところから生えてくる歯です)が出てきます。
出てたての歯には部分的に歯肉が乗っかります。
歯の上に乗っている歯肉と歯の隙間に汚れがたまりやすくなります。
この隙間の汚れは、虫歯の原因になる以外に、歯肉の炎症(歯肉炎)の原因になります。
完全に生えてきた後も注意が必要です。
大人の歯は子供の歯に比べて虫歯になりにくいと言いましたが、出たての大人の歯は非常になりやすい時期です。
理由はいくつかあります。
〇出てきたての歯が虫歯になりやすい理由
- ・出てきたての永久歯のエナメル質は石灰化が不十分
歯は唾液中のカルシウムやリンを取り込んで成長し、虫歯菌の作る酸への抵抗性を高くしていきます。
- ・象牙質が薄く、歯髄腔が大きい
年月が経つことで象牙質の厚みが増し、歯髄腔も小さくなっていきます。
- ・出てきたては汚れがたまりやすい
大人の歯はある日突然、咬む面に存在するのではなくゆっくりと咬む面まで出てきます。
そのため、出てきた当初は段差があり歯ブラシが届きづらく磨き残しが多くなりやすいです。
- ・噛む面の溝が深い
溝が深いことで汚れがたまりやすくなります。
9~12歳
生え変わりが進んでくると虫歯になりやすい部位が増えてきます。
- ・子供の歯の一番奥と第一大臼歯の歯の間
第二大臼歯(前から7番目の歯)が生えてくる準備が始まります。
そのため、奥歯が動き始め、隙間がつまり汚れがつまりやすくなります。
- ・抜けた場所から歯が生えかけている場所
歯の生えかけ途中の部位は噛む面が揃っていないため、段差があります。
その段差により歯ブラシが届きにくく磨き残しが多くなります。
11~16歳
「歯の生え変わりの時期について」で、奥歯の生え変わりがゆっくりになったとお話ししました。
そのため、第二大臼歯(前から7番目の歯。親知らずの手前の歯)の生え変わりが14歳ごろになることもあります。
第一大臼歯(前から6番目の歯)が生えてくるときと同様の注意が必要になります。
この年齢になると仕上げ磨きは行わないと思います。
自分でどういうところに注意が必要か自分で把握し、定期健診でケアを行うことが大切です。
まとめ
生えたての歯が成熟するには2~3年かかるといわれています。
そのため、場合によっては高校生でも未成熟の永久歯の場合があります。
以前、スポーツドリンクについてお話ししましたが、スポーツドリンクは虫歯のリスクを高くします。
中高生になると部活動などでスポーツドリンクを飲む機会が増えるかと思います。
これから夏になり、中高生に限らず飲むことがあるかと思います。
生えたての永久歯がある場合は特にご注意下さい。