生え変わり期の虫歯の予防


6歳ごろから始まる歯の生え変わり。

この時期は虫歯になりやすくなるため虫歯にならないよう注意が必要です。

前回は虫歯になりやすく注意が必要なポイントについてお話ししました。

今回は虫歯の予防についてお話ししたいと思います。

 

歯磨き


虫歯になりやすいポイントは簡単に分類すると

  • 奥歯の嚙む面
  • 歯と歯の間
  • 歯茎の近く
  • 出てきている最中の歯、およびその周りの歯

になります。

 

〇奥歯の噛む面

第一大臼歯(前から6番目の大人の歯)、第二大臼歯(前から7番目の大人の歯)は乳歯のないところから生えてきます。

生え始めは乳歯より背が低いため、歯ブラシに毛先が届きにくくなります。

口の横から歯ブラシを入れると届きやすくなります。

また、この時口を閉じ気味にし、頬っぺたを柔らかくすると歯ブラシが入れやすくなります。

また、溝が深い場合、先がとがった歯ブラシ(ワンタフトブラシ)を使用すると溝の汚れもしっかり落とせるようになります。

 

〇歯と歯の間

顎の成長、歯の生え変わりによって乳歯の時にはあった歯と歯の間の隙間がつまってきます。

そのため食べ物がつまりやすく、汚れもたまりやすくなるため、注意が必要です。

1日1回(就寝前の歯磨き時)はフロスを使用するよう心がけましょう。

最近は子供用のフロスもありますが、大人用でも構いません。

使用しやすい方を選んでいただければと思います。

 

〇歯茎の近く

歯茎の近くは歯肉炎の原因にもなります。

歯茎に対して斜め45度の角度で歯ブラシを当てると効率よく汚れを落とすことが出来ます。

 

〇出てきている最中の歯、およびその周りの歯

歯が生えかけ途中の部位は噛む面が揃っていないため、段差があります。

その部位も歯ブラシが当てにくくなります。

このような時も奥の歯を磨くときと同じように口の横から歯ブラシを入れると届きやすくなります。

この時、手前の歯、奥の歯の側面も磨くよう気を付けてください。

歯ブラシが入れにくい時はワンタフトブラシや、小さいサイズの歯ブラシを使ってみると磨きやすくなると思います。

 


フッ素使用


出てきたばかりの歯は脱灰と再石灰を繰り返すことで組成のしっかりした強い歯になります。

この再石灰化の時にフッ素を取り込むことで酸への抵抗性の高い歯になります。

ご自宅で毎日の歯磨きにフッ素入りの歯磨き粉を使用したり、歯科医院で定期的にフッ素を塗布することは虫歯の予防になります。

 


定期健診


定期的に歯科でチェックしてもらいましょう。

上手に磨けているところ、注意が必要なところがわかります。

それに合わせたハブラシ指導を行うことでモチベーションアップ、セルフケアの上達につながるかと思います。

また、定期的に通うことで虫歯を小さなうちに見つけ、治療をすることが出来ます。

治療が必要になった時も、小さい時から通っている慣れた歯科医院だとスムーズに治療を行えることが多いです。

 


シーラント


噛む面の深い溝は注意して磨いても歯ブラシの毛が届きにくいこともあり、磨き残しが多くなってしまう場所になります。

汚れが溜まらないように溝に蓋を行うのがシーラントという方法です。

溝を埋めることで虫歯のリスクを低くすることができるシーラントですが、注意しなくてはいけないこともあります。

シーラントはただ溝を埋めているため、かけたり取れることがあります。

取れたことにすぐに気が付き、すぐに処置することが出来れば問題ありません。

しかし、取れたことやかけたことに気づけないと、かけた部位に汚れが溜まりやすくなり虫歯になる恐れがあります。

シーラントを行った場合でも、やはり定期健診はかかせません。

 


まとめ


「いつまで仕上げ磨きをするか」これは小学生のお父様、お母様の悩みの一つではないかと思います。

早いと小学校低学年で仕上げ磨きをしていない、と聞く事があります。

しかし、小学生では、生え代わりによる口の変化に対して上手に歯ブラシで磨くことは出来ません。

高学年になると反抗期を迎えるため、仕上げ磨きをさせてくれない、という事もあるかと思いますが、できることなら小学校卒業までは仕上げ磨きを行っていただくと安心かな、と思います。