こんにちは。東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックです。
近年、審美性を高めるために、歯を白くするホワイトニングが注目されています。多くの芸能人やタレントが行っていることもあり「私もやってみたい!」と思う人は多いでしょう。
しかし、ホワイトニングは痛いという話を聞いて、実施を悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
今回は、ホワイトニングで歯が痛くなる原因や対処法、予防法を解説します。
目次
ホワイトニングとは
ホワイトニングとは、加齢や日頃の飲食、喫煙などによって変色した歯を白くする歯科治療です。
歯の変色は、日頃どんなに丁寧にブラッシングをしてもきれいに落とすことはできません。歯科医院で使用するホワイトニング剤の成分の一つである過酸化水素は、光を当てる、Ph(酸性値)を調整する、温度を上げるなどを行うことで化学反応を起こし、歯を変色させている色素を分解します。色素が分解されることで、白い歯を手に入れることができるのです。
ホワイトニングは痛い?
美しく白い歯を手に入れることができるホワイトニングですが、ホワイトニングは痛いと聞いて不安を感じている人もいるでしょう。
ホワイトニングで痛みを感じる人がいるのは事実です。一般的に、ホワイトニングの施術を受けた約2割程度の人が痛みを感じることがわかっています。痛みの感じ方は千差万別で、単に「痛い」と感じる人もいれば「むず痒い」と感じる人もいるようです。
薬剤の種類や量によっても痛みの出方や痛みの種類に差が出るので、ホワイトニング=痛いと断定するのは難しく、個人差が大きいといえるでしょう。
ホワイトニングで歯が痛くなる仕組み
歯は、外側から順にエナメル質、象牙質、神経(歯髄)という構造で成り立ちます。エナメル質は、非常に硬く神経が通っていないため、薬剤などがしみることはありません。
しかし、何らかの理由でエナメル質に損傷や欠損があると、神経から象牙質に伸びた神経細胞が刺激に反応し、痛みを感じるようになります。ホワイトニングの場合、歯の損傷部から内部の神経にホワイトニングの刺激が伝わることで、痛みを感じていると考えられます。
ホワイトニングで痛みを感じる原因
ホワイトニングで痛みを感じる具体的な原因は、以下のとおりです。
虫歯や歯周病がある
虫歯や歯周病があると、ホワイトニングで痛みを感じる可能性が高くなります。
虫歯は、歯に付着した歯垢内で虫歯菌が増殖し、虫歯菌が出す酸によって歯が溶かされる病気です。進行すると、歯のエナメル質に穴があき、中の象牙質が剥き出しになります。象牙質が露出した状態でホワイトニングを受けると、薬剤が浸透して痛みにつながります。
歯周病は、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)から侵入した細菌が歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨を溶かす病気です。進行すると、歯茎が下がって歯の根元の象牙質が露出するので、ホワイトニングを行うと、薬剤がしみて痛みが出ます。
知覚過敏がある
知覚過敏がある人も、ホワイトニングで痛みを感じる場合が多いです。
知覚過敏とは、歯ブラシの毛先や冷たい飲食物、甘いもの、風に当たったときなどに、一過性のしみるような痛みを歯に感じる症状です。多くの場合、歯周病や加齢などによって歯の根元部分の象牙質が露出して起こります。
知覚過敏のある人がホワイトニングを実施すると、象牙質が露出している部分から薬剤が浸透し、強い痛みを感じます。また、ホワイトニングの施術によって、歯の表面の皮膜であるペリクル層が剥がされ、知覚過敏を起こすケースもあります。ペリクル層は、通常24時間程度で再生しますが、再生するまでの間は強い痛みを感じやすいでしょう。
歯にひびや割れがある
歯ぎしりや食いしばりなどが原因でエナメル質が割れていると、ホワイトニングの薬剤がしみて痛みが出る可能性があります。歯のエナメル質に細かいひびがある場合も、薬剤がしみる場合が多いです。
ホワイトニングジェルの濃度が高い
ホワイトニング時に使用するホワイトニングジェルの濃度が高い場合も、施術時の痛みにつながります。
歯科医院で使用するホワイトニング剤は、濃度が高い場合が多いです。過酸化水素を主な成分とし、過酸化尿素や酸化チタン、チッ素が含まれている場合もあります。十分な安全性が認められている薬剤なので、使用すること自体に問題はありませんが、濃度が高すぎる場合は痛みを感じることもあるでしょう。
ホワイトニングで痛みを感じたときの対処法
ホワイトニングで痛みを感じたときの対処法は、以下のとおりです。
歯磨きやうがいをする
痛みを感じたら、まずは歯磨きやうがいをしましょう。
ホワイトニングの際に使用したジェルなどが口内に残っている可能性があるため、うがいや歯磨きで洗い流すことが重要です。また、ふだんからコーティング作用のある知覚過敏用の歯磨き粉を使用すると、痛みを軽減する効果が期待できます。
刺激物や甘いもの、冷たいものを避ける
ホワイトニングをしてから24時間程度は、知覚過敏を起こしやすい状態です。刺激となるような甘いものや冷たいものは避けましょう。
鎮痛剤を飲む
痛みが続く場合は、痛みを抑えるために市販の鎮痛剤を飲んでもよいでしょう。
ただし、鎮痛剤は痛みを抑えるだけなので、ホワイトニングによる影響を取り除けたわけではありません。肝機能や腎機能に異常がある人は鎮痛剤が害になる場合があるので、服用には注意が必要です。痛みが続くからと規定量以上飲むことはやめ、必ず用法用量を守って服用しましょう。
歯科医院を受診する
我慢できない強い痛みを感じる場合や、痛みが長く続く場合は、迷わず歯科医院を受診しましょう。
ホワイトニングをしてから24時間程度は痛みを感じやすいですが、24時間以上痛みが続く場合、何か別の要因あるかもしれません。すぐに原因を究明し、治療を施す必要があるでしょう。痛みが原因で日常生活に支障をきたしている場合も、我慢する必要はありません。迷わず歯科医院に相談しましょう。
ホワイトニング前の予防が大切!
ホワイトニング前に行いたい備えや痛みを予防する方法をご紹介します。
虫歯・歯周病の治療
虫歯や歯周病がある場合は、早めに治療しましょう。
虫歯や歯周病があると、強い痛みを感じやすいです。また、虫歯が進行して詰め物や被せ物を行う場合、ホワイトニングによって色の差ができ、見た目にも悪影響を及ぼします。虫歯や歯周病が進行し、歯の神経が壊死すると通常のホワイトニングが実施できなくなるため、早めに治療しましょう。
知覚過敏のケア
知覚過敏のある人や知覚過敏の心配がある人は、日頃からケアをしましょう。
具体的には、知覚過敏用の歯磨き粉がおすすめです。配合されている硝酸カリウムの影響で歯の神経の過敏反応を抑えることができ、痛みが出にくくなります。また、フッ素ジェルの使用も検討してください。フッ素にはエナメル質を強くする効果があるので、象牙質まで刺激が達することを防げるでしょう。
丁寧なホームケア
ホワイトニングの効果を十分に得るには、日頃のホームケアが欠かせません。虫歯や歯周病は、ふだんの歯磨きを正しく行うことで予防可能です。
痛みを予防するために、日頃から知覚過敏用の歯磨き粉を使う、フッ素入り歯磨き粉で歯を強くするなども効果があるでしょう。
定期的な歯科検診
ホワイトニングの効果を得るためだけでなく、歯の健康を守るためには定期的に歯科検診を受けることも有効です。
歯科医院に定期的に通えば、歯の健康状態をチェックしてもらい、クリーニングを受けることができます。歯磨き指導を受けることもできるため、正しいブラッシングの方法を学べます。定期検診とあわせてホワイトニングを行えば、痛みを少なくする準備を十分に整えてから、痛みが出にくい施術を受けることができるでしょう。
まとめ
今回は、ホワイトニングが痛いといわれる理由や、痛みが出たときの対処法、痛みの予防法などを解説しました。
歯を白くして審美性を高められるホワイトニングですが、人によっては痛みを感じる場合があります。原因としては、虫歯や歯周病、知覚過敏、歯の欠損などが考えられるため、ホワイトニングを受ける前に症状が見られる場合は治療を優先しましょう。
準備をしっかり行ったにもかかわらず痛みを強く感じる場合は、迷わず歯科医院を受診してください。ホワイトニング後の痛みが24時間以上続く場合は、ホワイトニング以外が原因の可能性があります。早期に原因を特定し治療する必要があるため、歯科医院を受診しましょう。
歯のホワイトニングを検討されている方は、東京都世田谷区北沢にある医療法人社団 燦陽会 下北沢駅前歯科クリニックにご相談ください。