「超高齢社会」という言葉をご存じですか?
65歳以上の高齢者の割合が「人口の21%」を超えた社会を「超高齢社会」と呼びます。
日本では、2010年には高齢化率23%を超え、超高齢社会を迎えました。
超高齢社会を迎えたことで、介護や支援が必要な方が増えています。
そのような方々はご自身での口腔の健康管理が難しくなるので、定期的な口腔ケアが不可欠なのですが、通院が難しいのが現実です。
通院が困難な方のためにあるのが「訪問歯科診療」です。
本日は訪問歯科診療についてお話ししたいと思います。
訪問歯科診療とは
歯科医師や歯科衛生士が患者さんの自宅や介護施設に直接訪問し治療を行います。
高齢者に限らず、
- ・身体的、精神的な理由で通院が難しい方への
- ・寝たきりの人、移動が困難な方
- ・障害を持つ方
を対象に歯科治療を行うサービスです。
訪問歯科診療で行うこと
- ・入れ歯の作製・調整・修理
- ・虫歯の治療
- ・お口の清掃
- ・リハビリテーション
このような治療が可能になります。
お口の清掃の重要性
- ・お口の中の細菌の減少
- ・口臭の改善・予防
これらを目標に口腔ケアを行っています。
口腔ケアが困難な高齢者や要介護者にとって虫歯や歯周病の予防、管理のため、定期的な口腔ケアは必要不可欠です。
また、予防できるのは口腔内の病気だけではありません。
口腔内の細菌が誤って肺に入ることで引き起こされるのが誤嚥性肺炎ですが、これは誤嚥が多い高齢者や寝たきりの患者に多く見られます。
口腔内の細菌の数が減ることで、誤嚥性肺炎のリスクが下がることが分かっています。
また、歯周病菌は糖尿病や認知症など全身疾患との関係も分かっています。
歯周病の進行の予防は、寝たきりになったとしても重要なことだとわかっていただけると思います。
リハビリテーションの重要性
訪問歯科診療では口腔機能の改善や嚥下機能の向上を目的として、リハビリテーションを行うこともあります。
- ・唇や舌を動かす口腔体操
- ・舌のトレーニング
- ・「ぱ・た・か・ら」を繰り返し、喉や舌の動きのトレーニング
これらを行い口や舌、喉の筋肉を鍛えることで嚥下機能の向上を目指します。
嚥下機能が向上すると、これもまた誤嚥性肺炎のリスクを下げることへとつながります。
まとめ
口腔ケアや口腔機能の維持・改善は常に大切なことです。
なんらかの理由で通院困難、介護が必要な方は全身の健康のことを考えたとき、口腔ケアもとても重要です。
訪問歯科診療を利用することで、定期的に口腔内をきれいにし、口腔内の健康を維持することでお口のトラブルの早期発見につながるだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えられます。
健康的な生活を続けるためのサポートが受けられるのが訪問歯科診療です。
当院では訪問歯科診療も行っております。
お気軽にご相談ください。