ブラッシングについて


前回は「歯ブラシについて」お話しました。

本日は「ブラッシングについて」お話したいと思います。

 

目次

  1. 歯と歯肉の形態
  2. 歯磨きの時の注意点
  3. 磨き方
  4. まとめ

 


1.歯と歯肉の形態


①縦の丸みと歯肉

歯は丸みのある形をしています。

最もふくらみのある部分から歯頚部(歯と歯茎の境目)までは傾斜があります。

また、歯頚部から歯肉へも傾斜があります。傾斜が続くことで歯頚部には窪みができます。

歯の丸みや歯肉の厚み、部位によって窪みの大きさは変化します。下の歯の前歯は窪みが小さくなります。

②横の丸み

歯を咬む面から見ると、歯が丸いことに気が付くと思います。丸みのある歯がUの形で並んでいます。隣り合う歯と歯の間には窪みがあります。

歯列不正があるとき歯と歯の間のくぼみは深くなったり狭くなります。

また、隣り合う歯の大きさに差があるところは窪みが深くなります。

 

歯と歯肉の形態を理解し、ブラッシング時にその形態を意識することでプラークの除去を効率よく行えるようになります。

 


2.歯磨きの時の注意点


①歯磨きの前に歯ブラシは濡らさない

歯ブラシを濡らしてしまうと歯磨き粉の泡立ちが早く、長時間磨くことが困難になります。

 

②歯ブラシの持ち方

鉛筆と同じ持ち方で持ちます。この持ち方は力が入りすぎない持ち方で、歯茎を傷つけにくくなります。

 

③歯磨きの力の強さ

歯ブラシの時の力強さは150~200グラムになるように磨いてください。初めはキッチンスケールなどに歯ブラシを押し当てて力の入れ方に慣れましょう。また、200グラムとは、歯ブラシの毛先が広がらない程度の力です。

 


3.磨き方


①スクラッビング法

歯ブラシを90度で歯頚部に当て細かく動かしながら磨く方法です。

最も簡単な磨き方のため、お子様からお年寄りまでが最も習得しやすい磨き方になります。

しかし簡単に習得は出来ますが、歯の形や歯肉退縮がある方、歯列不正がある方は隣の歯と接している面の近くに汚れが残りやすい磨き方になります。

 

②毛先磨き

スクラッビング法と同様に、歯面に対して歯ブラシを90度に当てて毛先を軽く動かす方法です。

咬む面から見たとき丸みのある歯面を3面(遠心・中央・近心)にわけます。奥の歯と接している面に近い遠心付近は歯ブラシのつま先(先端)を使って、中央部には歯ブラシの脇を、手前の歯と接している面に近い近心付近は歯ブラシのかかとをつかって磨きます。スクラッビング法では磨き残しが出やすい所もしっかり磨く磨き方になります。

とても細かい動きになるため全部の歯を磨くのにとても時間がかかってしまいます。

叢生部分も丁寧に磨けるため、部分的に指導することがあります。

 

③バス法

歯ブラシの毛先を根のほうに向けて歯に対して45度の角度で当て磨く方法です。

ポケット毛先をポケットの中へいれ、小刻みに振動させて磨きます。

もともと歯茎や歯槽骨が薄いと、歯肉退縮が起こりやすくなります。

 

④スティルマン改良法

歯ブラシの毛先を根のほうに向け、歯と歯肉の境目に、毛先を当て数回の軽く動かします。その後毛先を咬む面に向かって回転させ磨く方法です。

歯肉に対するマッサージ効果は高いですが、汚れは残りやすい磨き方です。

 


4.まとめ


歯の並び方や歯肉の状態など部位に合わせて磨き方を変えることで効率よく汚れを落とせるようになります。

ご自身ではどこが磨けていないのか、どう磨くと磨き残しがなくなるのか、を見つけることは難しいことだと思います。

歯周病の治療の一環として、それぞれの状態に合わせ、その歯に必要な磨き方を指導するブラッシング指導を行っております。

是非、ご利用ください。

また、ブラッシング指導時に限らず、実際に行ってみて分からないことやご質問などがありましたらいつでもお気軽にご相談ください。